阪神D4位・町田隼乙、独立L時代に生まれたNPB経験者との縁「捕手は会話が大事」
【なにわ虎男子】阪神の新入団選手にスポットをあてた連載「なにわ虎男子」はドラフト4位・町田隼乙捕手(21)=BCL埼玉=が登場。第3回は独立リーグ時代に参加した阪神2軍春季キャンプについて。プロにつながる礎を築いた期間を、プロ野球界をよく知る人物が語った。(随時掲載) 2023年2月、町田は沖縄にいた。背番号のない縦じまのユニホームを身にまとい、具志川の地で虎戦士のボールを受けていた。 「ベアーズの球団の方に片山博視さんという方が兼任(コーチ)でいたんですけど、その方に『NPBの球を見ておいで』といわれて参加したのがきっかけです」 夢であるプロ野球選手と、いま自分はどれだけ差があるのか-。派遣バイトという形で申し込み、偶然選ばれたのが阪神の2軍キャンプ地、沖縄の具志川だった。 ブルペン捕手として、プロの球を受ける日々。それだけではなく、捕手としての課題を改善することもできた。当時、2軍バッテリーコーチだった野村克則1軍バッテリーコーチ(51)から、プロが反復する基本的なスローイングの練習法を教わった。 「埼玉に捕手のコーチがおらず、チーム内でも僕がキャッチャーでは一番上。シーズン中の練習法も教えてもらい、すごく助かりました」 その変化を間近で感じた元NPB戦士もいる。埼玉武蔵ヒートベアーズでバッテリーを組み、来季からヤクルトの2軍投手兼育成担当コーチに就任する由規氏(35)だ。具志川から帰ってきた町田は変わっていた。阪神からドラフト4位指名を受けた〝まな弟子〟を見つめ、由規氏は目を細めた。 「沖縄から戻ってきてすぐのスローイング、キャッチングは見違えるほどよくなっていました」 さらに、ヤクルトで通算32勝を挙げた由規氏は町田が持つ最大の魅力を語る。「誰からも愛されるキャラ。『なんとかして町田をプロに』という雰囲気がチーム全体にあった。それって彼の人徳。プロでも愛される選手でい続けてほしいなと思います」。そんな由規氏から、町田も捕手としての心得を授かっていた。 「捕手は『会話が大事だよ』と。投手やほかの野手の人としっかりコミュニケーションをとるということは肝に銘じています」