注目は「買える展覧会」 アートウィーク東京が今年も開催
アートバーゼルと提携し、東京を代表する美術館やギャラリー、アート業界のプロフェッショナルたちがつくりあげる現代アートの祭典「アートウィーク東京(AWT)」が11⽉7⽇から10⽇まで開催される。 今年は、過去最多となる都内53のアートスペースが参加。会期中は都内のプログラム会場を乗り降り自由な無料のシャトルバス「AWT BUS」が巡回。まわって楽しむアートイベントだ。 ■「買える展覧会」がコンセプトのAWT FOCUS AWTの見どころのひとつである「AWT FOCUS」は、美術館での作品鑑賞とギャラリーでの作品購⼊というふたつの体験を掛け合わせた「買える展覧会」。開催2回目となる今年は、森美術館館長であり国立アートリサーチセンター長も兼任する片岡真実が監修を務める。 「大地と風と火と:アジアから想像する未来」と題し、政治や経済など人為的な分類や力による統治ではなく、自然の摂理や不可視のエネルギーといった観点から世界を見つめるアジア的世界観を起点に、多様性が共存する未来を考える。 展覧会が開催されるのは、現存する日本最古の私立美術館である大倉集古館。その建築は中国やインド、オスマン帝国、欧米などを歴遊した伊東忠太が、当時いかに世界文明を意識したのかを想像させる。 展示は「宇宙の構造」「手、身体、祈り」「見えない力」「自然界の循環とエネルギー」の4セクションに分かれ、日本の26のギャラリーに加え、ソウルのKukje Galleryやマニラ、ニューヨークに拠点を置くSilverlens、台北のTKG+など海外のギャラリーも作品を出品。会期中は、オンラインアートプラットフォーム「Artsy」からも作品を購入することができる。 ■国際的なキュレーター3人を招いたシンポジウム AWTの初日には、サンパウロ・アシス・シャトーブリアン美術館アーティスティック・ディレクター、第60回ヴェネチア・ビエンナーレキュレーターのアドリアーノ・ペドロサ、森美術館館長、国立アートリサーチセンター長の片岡真実、スカルプチャーセンターディレクターのソフラブ・モヘビを招き、「他者を想像する・想像する他者:現代アートが描く国境を超えた未来」をテーマに、慶應義塾大学 三田キャンパス 西校舎ホールでシンポジウムを開催。 最近のキュレーション・プロジェクトを振り返りながら、アートには何ができるのか、なぜ重要なのか、そして、アートは文化や文脈をどう超えていくのかを語りあう。 ■ビギナーや子ども向けプログラムも そのほか会期中には、現代アートの作品をコレクションしてみたい人を対象にした3セッション構成のプログラム「これからのアートコレクターのためのスタートアップガイド」も開催。アートバーゼルとのコラボレーションのもと、3日間にわたってアート鑑賞や購入の方法、世界のアートワールドの最新情報、コレクションの傾向までを立体的にとらえる手引きとなるツアーやトークを実施する。 また、AWT FOCUSの会場では、「親子向け」「小学生向け」「中学生以上の方向け」に3種類のワークショップおよびガイドツアーも開催。ビギナーもプロフェッショナルも、より深いアートの世界へ踏み入れることのできる機会が豊富に用意されている。 【開催概要】 アートウィーク東京(AWT) 日程:2024年11⽉7⽇(⽊)~10⽇(⽇) 場所:都内53の美術館/インスティテューション/ギャラリー 公式ウェブサイト:https://www.artweektokyo.com/ AWT FOCUS 日程:2024年11⽉7⽇(⽊)~10⽇(⽇) 場所:大倉集古館 1・2階 前売りチケット:https://awtfocus2024.peatix.com/
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