電線産業の賃金大幅改善。前回比倍増、平均1万1487円ー全電線調べ
電線産業で大幅な賃金改善が進んでいる。今春闘での賃金改善額は前回から約2倍の水準となる。電線・ケーブル関連の産別労働組合である全日本電線関連産業労働組合連合会(全電線)のまとめによると、2024年春闘では、加盟する35の労働組合のうち現在までに33で賃金改善の回答を得た。賃金構造維持分を除く賃金改善の水準は平均で1万1487円(昨年実績は6104円)。賃上げ率は3・88%(同2・29%)だった。全電線では「過去に例を見ない高水準な賃金改善の回答を得た」としている。 「大手のみならず中小でも昨年を上回る要求に対して理解が得られた」(全電線)状況。昨年を超える「人への投資」が獲得できたとしている。組合員数別の賃金改善の回答額については、1千人以上が1万3140円、300人以上・1千人未満が1万4149円、299人以下については1万207円だった。 企業内最低賃金では23の労組が引き上げの回答を得ており、その額は平均で1万1691円(昨年は約8千円)だった。 また賃金については12労組、一時金については3労組で要求水準を満たす回答を得ているという。