完投で３勝目を挙げ、ファンの声援に応える山崎（カメラ・清水　武）

◆パ・リーグ　西武１―２日本ハム（３０日・ベルーナドーム） 　思い出の詰まったベルーナＤでの勝利の味は、格別だった。日本ハム・山崎福也投手（３１）がマウンド付近にできた輪の中でハイタッチを交わした。９回９７球、打者２８人で３安打無四球１失点、５奪三振の好投。「（球数は）少なければ少ない方がいい。シーズンは長いので」。オリックス時代の１７年７月１０日の日本ハム戦（京セラＤ）以来、７年ぶり２度目の完投で３勝目をつかんだ。 　腕も振れ制球も抜群だった。５回まで完全投球で１点差を守るも６回、長谷川に許した初安打をきっかけに追いつかれた。気持ちを入れ直したのは７回。新庄監督に「最後までいくよ！」と声を掛けられ笑顔でうなずいた。１点差の９回も３人でピシャリ。監督の言葉が「一番うれしかった」と踏ん張る力になった。 思い出の球場　「どこの球場であってもうれしい」と控えめに言うが、所沢市生まれで、少年時代はベルーナＤに通い詰めた。父・章弘さんが選手、コーチとして在籍していた日本ハム戦は当時芝生席だった外野席で観戦。時には寝転びながらも、新庄監督や森本コーチらの現役時代のプレーを目に焼き付けた。その球場で、かつての自分のような日本ハムファンの子供たちにお手本のような投球を披露した。 　「さすがやね。１０００点満点！」と新庄監督は破顔一笑。最多の貯金５に「このまま行きたいっす。今日みたいな試合を逃さずついて行って快感を味わいたい」と、３・５差で追うソフトバンクをにらんだ。（阿見　俊輔）