よぉし!エンジンごと載せ換えてしまえ! クラシック・ジムニーに乗り続けるのだ
久しぶりのクラシック・ジムニー(JA71C)の登場である。維持していくにはパーツ供給が……となっているわけだが、今回は、「よぉし!エンジンごと載せ換えてしまえ!」の巻である。 PHOTO & TEXT:伊倉道男(IKURA Michio) 新車をオーダーしても「1年待ち」もあるジムニーである。ある統計で、歴代のジムニーで最も人気のないモデルは?人気のないモデルだよ。それがJA71シリーズ。あ、僕のはこのJA71C。さて、なんで人気がないのか?2サイクルから4サイクルへの過渡期のクルマ。排気量は550cc。一般的にはドッカンターボとか言われている。ボディが軽いので、僕はかなり気に入っている。 でも、人気のない理由はパーツ供給が、すでにかなり厳しいからだろう。以前、イグナイターが駄目になった。純正パーツはすでになく、ディストリビューター内にあるイグナイターを取り外して、配線を外へ出す。社外での対応品(どうやらアメ車用のパーツ)を探して、なんとか復帰。 次なる問題は「F5Aのガスケットはもうないよ~」。つまり、エンジンはもう開けられない。対処法は、「ガスケットを作る」なのだろう。だが、銅板で作った人がいるのだが、やはり、抜けてしまったようだ。 さて、走行距離も13万kmを超え、排ガスにオイルの燃えたような匂いがする。どうしたものかと考えていると、「F5Aの調子の良いエンジンが見つかりましたよ」と連絡が来る。「よぉし!エンジンごと載せ換えてしまえ!」 僕のJA71Cはエアコンもない、当然パワステもない。エンジンルームはガラガラである。そこで、「ドライブスルーエンジン載せ換えって可能?」。つまり、朝行って、夜帰りたい。 「やってみましょう」ということで、エンジン載せ換えスタートです。 ここで不安材料。エンジンの型式、F5Aは同じであるけれど、僕のJA71Cは初期型。インタークーラーはなし。新しい中古エンジンは後期型のインタークーラーありのエンジン。見た目の大きな違いはカムカバーの形状が違うくらいなのではあるのだが。 単純に新しいインタークーラー付きのエンジンをそのまま使えればそれが良い。だが、僕のJA71Cにはボンネットのインタークーラー用のインテークフードはない。インタークーラーは諦める。これは後で気が付くことになるのだが、大きな違い、コンピューターが違う。ディストリビューターも違う。どうやら、後期型のイグナイター機能はコンピューターが賄っているようである。つまり、配線もコネクターも違い、合わないのだ。 そこで、流石、ジムニーに慣れたメカニック そこで、流石、ジムニーに慣れたメカニック。 点火系はインタークラーなし用を使う。問題はデストリビューターが合うか(ロッドの長さが違う?)なのであるが、これはそのまま装着できた。 吸気側はインテークマニフォールドより前はインタークーラーなしの物を使う。エミッションコントロールと言うのだろうか、エアの負荷をみる配管は一カ所太さが違う。これはサイズの違うホースを変換できる物があり、あっさりと解決してくれた。 排気側と言って良いのだろうか、ターボは新しいエンジンの物を使う。ホース類はインタークーラーなしの物を使う。これで無事にエンジンは載せ変わり、テスト走行となる。 ここで問題発生 ここで、またもや問題が発生。高回転になると燃料カットが効いてしまう。配管は間違いがない。解決策として、ターボチャージャーに付いているアクチュエーターを旧エンジンの物と交換する。すると、高回転までスムーズに回るエンジンとなった。 今の時代にも、あ、約40年前のエンジンではあるが、当たりエンジンと言うものは実際にある。僕の初代愛車、フロンテクーペの3000rpmからの加速感を思い出させてくれた。当時のスズキの味付けである。オフロードもオンロードもこれはかなり楽しいぞ。 追記として、主な換えたパーツ。クラッチディスク、ラジエーター、タイミングベルトとその周辺。さて、これで冬を迎えても、アウトドアライフを安心して楽しめそうだ。
伊倉 道男