仙台拠点の特殊詐欺グループ、1か月1億9000万円の詐取目標…「打ち子」は24時間態勢で被害者とやり取り
仙台市を拠点とした特殊詐欺グループが摘発された事件で、詐欺グループが1か月に1億9000万円を詐取する目標を掲げていたことが7日、宮城県警への取材でわかった。SNSでメッセージを送る「打ち子」は24時間態勢で被害者とやり取りしていたことも判明。県警は押収した帳簿やパソコンなどから被害の全容解明を急いでいる。
組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で逮捕されたのは、詐欺グループ幹部で無職の35歳の男(仙台市青葉区)、アルバイトの男(40)(同区)、無職の男(32)(同区)と20~40歳の男女26人の計29人。県警は7日、一緒に打ち子をしていた女を書類送検した。今回の詐欺に関わったとみられるのは計30人になった。
県警によると35歳の男らは無料の求人情報誌に「メールオペレーター」として求人を出し、応募者を同市青葉区のマンションやビルに集めて組織的に打ち子をさせていた。応募者の多くは当初、「闇バイト」とは知らなかったという。
打ち子は午前9時~午後9時、午後9時~翌日午前9時の2交代制で、男らは打ち子の希望に応じて時間を変更していたという。被害者とのやり取りを引き継ぎするなど、組織的な対応も徹底したという。県警は帳簿などから少なくとも全国の約3700人から約70億円をだまし取ったとみている。
県警は7日、今年6月に35歳の男の自宅や打ち子らが使用していたマンションやビルから押収したパソコンやスマートフォンなど約110点を公開した。