やっぱりイーロン・マスクは墓穴を掘った!? 日本上陸を果たした「サイバートラック」を見て分かった真の姿とは?
ついにテスラのサイバートラックが日本に上陸! お披露目会に参加したモータージャーナリストの原アキラが、実車を見た感想を伝える。 【写真】サイバートラックの内装はこうなっていた!(全24枚)
夜10時からスタートした、サイバートラックお披露目会!
昨年末から米国での納車が始まった、テスラの電動ピックアップトラック「サイバートラック」がついに日本初上陸。初めて実車を目の当たりにすることができた。とにもかくにもその特異なスタイルには誰もが興味津々で、東京・豊洲の「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」で開催されたお披露目会には、夜10時スタートという遅い時間帯にも関わらず多くの報道陣が訪れた。 敷地奥の暗闇から100mほど走ってきたサイバートラックは、モーター駆動ならではの「無音」と報道陣の「オオッ」という歓声を伴って我々の前にその姿を現した。一斉にカメラのシャッター音が響いたが、照明がそれほど明るくないことと、ストロボ発光が禁止だったため、皆カメラのISO感度を6400とか12800に上げて、その特異な姿の撮影を行うことになったのだ。
既存のクルマにはない、モンスター級スペック!
サイバートラック(北米仕様)のボディは、全長5682.9mm、全幅2200.7mm、全高1790.8mmで、車重はモデルによって2995kg~3104kg。トップモデル「サイバービースト」の時速0-100kmまでの加速は2.7秒、推定航続距離547km、アフリカ象を引っ張ることのできる4990kgの牽引力、最高速度時速209km、ピックアップトラックなのにSS(スタンディングスタート)、4分の1マイルの加速競争でポルシェ911を破る、などの高性能ぶりは既報の通り。2019年の発表から4年もの歳月を費やしてやっと納車にこぎつけたという量産面の苦労は、CEOのイーロン・マスク氏をして「自分の墓穴を掘るようなもの」と言わしめたという。 直線と平面だけを組み合わせた塗装なしのウルトラハードステンレススチールエクソスケルトン製のボディスタイルを見て、筆者がすぐに思い浮かべたのはステルス戦闘機(ロッキードF-117)やステルス駆逐艦(米海軍のズムウォルト)などのアーミーなもの。実際、サイバートラックが採用したサブマシンガンの銃弾を受けても貫通しない外板だったり、時速112kmで飛ぶ野球ボールやクラス4(直径1~2インチ)の雹(ひょう)の衝撃に耐えるアーマーガラスだったり、空気中の99.97%の粒子をキャッチする対生物兵器モードだったりというのは、既存の自動車にはないものだ。 ギガファクトリー上海の6000tのダイキャストマシンで成形するという丈夫な構造と高い耐久性、305mmのサスペンションストロークと432mmのロードクリアランスを持つ電子制御式アクティブサスペンションによる悪路走破性は、「すべての惑星のために」とテスラは標榜している。装着タイヤはグッドイヤー製の20インチオールテレイン。ルーフにライトバーを取り付ければ、最大照射距離がサッカー場5つ分に相当する480mまで伸びる。