「8分間の”死にゲー”…」思考が活性化するパズル映画(1)恐怖のタイムループ…爆弾魔は誰だ!?
今回はパズルのように緻密で複雑なストーリーが特徴の、観るだけで頭が良くなりそうな作品を5本セレクト。列車爆破阻止のミッションに挑むタイムリープ、記憶喪失の男と身に覚えのない殺人…。予想できない展開や幾通りも可能な解釈に、脳がフル回転する作品たちを紹介する。今回は第1回。
『ミッション:8ミニッツ』(2011)
上映時間:94分 製作国:アメリカ 監督:ダンカン・ジョーンズ 脚本:ベン・リプリー キャスト:ジェイク・ギレンホール、ミシェル・モナハン、ベラ・ファーミガ、ジェフリー・ライト、マイケル・アーデン、キャス・アンヴァー、ラッセル・ピーターズ 【作品内容】 シカゴで乗客全員が死亡する列車爆破事件が発生。犯人を見つける極秘ミッションに、米軍大尉のスティーブンスが選ばれる。彼は、犠牲者の脳から事件発生8分前の記憶に入り込み、犯人を見つけ出そうと試みるがー。 【注目ポイント】 デヴィッド・ボウイの息子としても知られる監督・ダンカン・ジョーンズ。本作は、『月に囚われた男』で好評を得た彼が初めてハリウッドという大舞台に挑んだ作品である。 本作のあらすじは、一言で言えば「死にゲー」。主人公・スティーブンスは、犯人を突き止めるまで、列車爆破までの8分間を何度も生き直し、そして死に続ける。観客は、彼の目線を追体験しながら、徐々にミッションがはらむ謎へと肉薄していく。まさに極上のサスペンスである。 しかし、本作の世界観は、単なるサスペンスの枠には収まらない。例えば、死者に憑依し、その記憶の世界を生きるという設定は、どこかオカルトや民俗学の匂いを感じさせるし、監督自身の死に対する深い思索の跡も垣間見える。 さて、物語終盤、スティーブンスはタイムループを脱出し、新たな世界へ足を踏み入れることになるが、そこで衝撃の展開を迎えることになる。ここから先は、ぜひその目で確認して欲しい。
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