マルチタスクをしても問題がない、たった2つの状況は
マルチタスクはたいていの場合、あらゆる作業の効率を下げます。 これを立証する科学的な研究はたくさんあります。みなさんもおそらく、それを裏付けるような体験をしていることでしょう。 とはいえ、ときにはマルチタスクが必要になることがありますし、マルチタスクをしても問題ない場合だってあるかもしれません。 そこで、マルチタスクについて知っておくべきポイントを説明していきましょう。
マルチタスクが常にOKではない理由
マルチタスクをすると、自分で自分の邪魔をして、取り組んでいるひとつひとつの作業の進行を妨害することになってしまいます。 研究者のあいだでは、マルチタスクは、「効率を低下させる妨害行為であり、時間の無駄」と考えられています。 1日のスケジュールを組み立てて、To-Doリストの項目に1つずつ取り組む場合に比べて、パフォーマンスは低下し、ミスは増え、こなせる量も減ります(少なくとも、うまくできる量は減るでしょう)。 どう考えても、マルチタスクは一切やらないのがいちばんです。 それよりも、プランナーを使って、自分の時間を賢く配分しましょう。そうすれば、一度にひとつの作業を行うのに十分な時間を確保できるはずです。
マルチタスクをしても問題ない状況
そうは言っても、日々の生活は忙しいもの。計画どおりに進まないことも出てきますし、それは避けられないことです。 やるべきことを片付けるには、2つのタスクを同時進行せざるを得ない場合もあるかもしれません。 ただし、マルチタスクをするのは、できる限り以下のいずれかの状況だけにしましょう。 さほど複雑な作業ではなく、そのわずかな合間に、さらに簡単な作業をこなす場合(デスクトップの整理中に、届いたメールへの返事を書くなど)。 同時進行する作業のひとつが、ほとんど何も考えずにできるものである場合(トレッドミルでウォーキングをする、歯磨きをするなど)。 オーディオブックを聴きながらジョギングしたり、運転しながら母親と電話で話をしたりするのは、これまでにジョギングや運転の経験が充分にあって、自然に体が動くレベルであれば問題ないでしょう。 それでも、不意に道路工事に出くわしたり、街灯がずっと先まで消えていたりと、状況を複雑にする事態が起これば、「いつものタスク」も、不慣れなタスクに一変します。そのような場合、マルチタスクはうまくいきません。 したがって、できるだけマルチタスクそのものを避けるようにしましょう。 ポモドーロ・テクニックを活用することをお勧めします。一定時間、ひとつの作業に集中して取り組み、5分休んだらまた作業に戻る方法です。その5分間の休憩中に、ちょっとギアチェンジして、メールの返事を書いたり、電話を折り返したり、休んだりなど、好きなことをすればいいのです。 タイマーを使って作業時間を管理するのがおすすめです。そうすれば、時間を確認しようとしてスマートフォンを手に取ったとき、返事が必要なメッセージを目にして、ついうっかりマルチタスクに陥ってしまう、といったことが起きませんから。 Source:sciencedirect.com, interruptions.net, lifespan.org, onlinelibrary.wiley.com
遠藤康子(ガリレオ)