『怪盗グルーのミニオン大変身』北米No.1で続編は確実!? A24『X エックス』完結編も登場
去る7月4日はアメリカ独立記念日。週末までの数日間は、1年を通じてアメリカが最も祝賀ムードに包まれた。北米の映画興行においても、独立記念日の週末は大きなチャンスのひとつ。今年のレースを制したのは『怪盗グルーのミニオン超変身』で、超ヒット中の『インサイド・ヘッド2』から首位を奪い取った。 【写真】グルーの子供、グルーJr. 本作は『怪盗グルー』『ミニオンズ』フランチャイズの最新作で、メインシリーズの『怪盗グルー』としては7年ぶりとなる第4作。新たにグルーJr.が誕生して幸福のさなかにあるグルーファミリーに、グルーの宿敵・マキシムが襲いかかってきた。素性を隠して新たな街に引っ越したグルーたちだったが、悪党を夢見る隣人の中学生がその身元を暴き、さらにはマキシムも追いかけてきて……。 ユニバーサル・ピクチャーズ&イルミネーションは、『怪盗グルー』『ミニオンズ』フランチャイズの新作映画を必ず独立記念日の周辺に公開しており、本作は前日の7月3日に劇場公開を迎えた。8日までの5日間では1億2260万ドル、6~8日の週末3日間では7500万ドルを記録している。 北米での滑り出しは事前の予測通りで、3日間の成績は『怪盗グルー』シリーズでは第2作『怪盗グルーのミニオン危機一発』(2013年)に次いで史上第2位、フランチャイズ全体では史上第4位の発進だった。海外市場でもすでに1億693万ドルを稼ぎ出しており、世界累計興収は2億2953万ドルとなっている。 Rotten Tomatoesでは批評家スコア53%とかなり渋いが、一方で観客スコアは90%、劇場の出口調査に基づくCinemaScoreも「A」評価と一般観客の支持は大きい。もとより批評と興行の間に直接的な関係が生じにくいファミリー向け映画とあって、批評家の評価が今後の推移に及ぼす影響は小さいだろう。製作費は1億ドルとあって、劇場興行での黒字化は堅い。 なおVarietyによると、ユニバーサルの配給部門を統括するジム・オルは、続編やスピンオフ映画による今後のフランチャイズ拡大を「確実に」実施すると答えたという。日本公開は7月19日。 ディズニー&ピクサー映画『インサイド・ヘッド2』は、『怪盗グルーのミニオン超変身』の登場により、公開4週目にして第2位にランクダウン。もっとも、主な観客層が重なっているにもかかわらず週末3日間で3000万ドルを記録する堅実ぶりで、北米興収は5億3382万ドルとなった。世界興収は12億1692万ドルで、『ミニオンズ』(2015年)を抜いてアニメーション映画の歴代第5位となっている。 巨大アニメーション映画がしのぎを削る中、公開2週目の『クワイエット・プレイス:DAY 1』は第3位にランクインした。週末3日間の成績は2100万ドルで、前週比はマイナス59.8%。本作がシリーズの前日譚映画であり、ファンが公開直後に集中しやすいジャンル映画であることを鑑みればまずまずの健闘だ(前週比マイナス60%台に陥る映画も決して少なくないため)。北米興収はまもなく1億ドルに到達する。 独立記念日の週末としては、北米市場全体の興行収入は1億6000万ドルで、前年比123%と数字を伸ばした。年間興行収入(同時点)は、前年比81%から83%へとまたもやギャップを縮めており、この勢いをどこまでキープできるかがポイントとなる。北米では7月中に『デッドプール&ウルヴァリン』と『ツイスターズ』も控えており、この“お祭り”をどこまで盛り上げられるかが、秋以降の推移にも影響を及ぼすことになるだろう。