『民主党政権時代』と比較して、『アベノミクス』は本当に成功だったのか?…雇用が増えても日本経済が成長していない”納得の理由”とは
アベノミクスは日本経済を復活させたか
要するに、アベノミクスの「第2の矢」の財政出動は過度な負担増でむしろマイナス。「第3の矢」は不十分だったため、「第1の矢」の異次元緩和に過度な負担がかかったということです。 当時の政権と株価の関係から、第2次安倍政権でいかに株価が上がったかがわかります。 経済政策を評価する上で最も重要な雇用が増えたことからしても、アベノミクス以前よりはいい方向に持っていったとは思います。 ただ、アベノミクスが日本経済を復活させたかというと、不十分だったと見るのが適当でしょう。過度な負担増を強いずにビジネス環境をもっと整えていれば、「異次元緩和」に頼りすぎずに済んだはずです。 その意味では、ここまで円安が進んだのはロシアのウクライナ侵攻が主因ですが、アベノミクスの後遺症という側面もあるかもしれません。 だからといって、いますぐ金融を引き締めるべきというわけではありません。今、拙速に引き締めると恐らく日本経済は利上げに耐えられないでしょうから。 『「やっぱり消費税引き上げは大失敗だった」…日本経済復活のためには「減税が必要」な理由』へ続く
永濱 利廣、エミン・ユルマズ