「ヒトカゲを選んだばかりに…」みんなのトラウマ? 初期『ポケモン』で「苦戦したジムリーダー」
■伝説級のケッキングを2匹も使うお父さん!『ルビ・サファ』センリ
『ポケモン』初のゲームボーイアドバンス対応ソフト『ポケットモンスター ルビー・サファイア』は、主人公の父親と戦える珍しい作品だ。 父親のセンリは5番目のトウカジムを担うジムリーダーであり、たくましく成長した主人公と真っ向勝負を繰り広げる。 因縁の親子勝負という熱いシチュエーションのセンリ戦だが、戦ってみると熱くなるどころか血の気が引くほど難しい。その理由は、センリが使う“ものぐさポケモン”ケッキングにある。 ケッキングの恐ろしさは、ずば抜けた種族値(ポケモンごとに決められているステータス。HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さの計6つのステータス値をすべて足し算したもの)だ。合計値670は伝説のカイオーガやグラードンと同値で、生半可なポケモンでは太刀打ちできない。そんな反則じみたケッキングをセンリはなんと2匹も使ってくる。お、大人気ない! ケッキングの“やつあたり”や“きあいパンチ”を受ければほぼ一撃で倒され、HPを削れば回復技の“なまける”でチャラにされる。それでも諦めずケッキングを倒すころには、続く2匹目を相手にする余力は残っていない。父親越えの難しさを嫌というほど味わわされる戦いだ。 こう書くと完全無欠なケッキングだが、専用特性“なまけ”で2ターンに1度しか行動できない明確な弱点を持っている。たとえば、相手の行動ターンに“まもる”で確実に防御し、なまけている間に攻撃するなど、考えればちゃんと勝てる相手ではあった。 「戦略を練れば強い敵にも勝てる」センリは戦いを通して、ポケモンバトルに大事なことを我が子に教えようとしたのかもしれない……いや、それでもケッキング2匹はやりすぎだと思う。 冒険の節目に立ちはだかるジムリーダーは印象に残りやすく、苦戦した思い出ならなおさらだ。どうしてもジムリーダーに勝てず、必死にレベル上げした経験のあるプレイヤーは少なくない。 そんな苦労もあとになって振り返れば笑い話になる。強すぎるジムリーダーたちは『ポケモン』の思い出を振り返るときの華といえる存在といえるだろう。
ハチミツ