『正体』森本慎太郎の起用理由は?藤井道人監督明かす
「森本くんも半年ぶりのお芝居なので、最初はすぐに役に入れなくて、結構緊張したと言っていたんですが、すぐに役を思い出してくれて役に入り込んでくれた。やはりその半年という時間は大事だなと思いましたね」と振り返った藤井監督。劇中の季節に合わせて撮影をすることによって、森本をはじめとした役者たちの芝居にも大きな影響を与えたという。「それは山田(杏奈)さんや吉岡(里帆)さんもそう言ってくださっているんですけど、そういうものの豊かさに俳優が呼応してくれるというのがすごいうれしくて。俳優にいい芝居をしてもらうためには、やはり僕らがちゃんと場を作らないと、いい芝居は出ないし、いい映像もつくれない。その場をつくるということは、プロデューサーチームに迷惑をかけてでも、やれる限りはやっていきたいなと思ってます」と手応えを語る。 「森本くんの場合は、半年ぶりの芝居なんで。まず一発目は彼の芝居を見せてもらいました。それはすごく良かった」という藤井監督。そのことを踏まえた上で、鏑木のことを和也はどう受け止めるのか、そうした感情を伝えた上で、表情や身体の動きなど、テクニカルなところを伝えながら芝居を組み立てていく。そこから生み出された芝居は、非常に感動的なシーンへと仕上がっており、藤井監督も「森本くんが最後にすごい芝居をしてくれて。うれしかったです」と満足げな様子を見せた。(取材・文:壬生智裕)
映画『正体』は11月29日より公開