「ホテル郡上八幡」を運営していた千虎観光(岐阜)が事業停止、自己破産申請へ【負債額判明】
(株)千虎観光(TDB企業コード:450345278、資本金2300万円、岐阜県郡上市八幡町吉野208、代表中島規夫氏)は、8月1日までに事業を停止し、事後処理を中西敏夫弁護士(弁護士法人森川・鈴木法律事務所、岐阜県岐阜市江川町16、電話058-262-4982)ほか3名に一任、自己破産申請の準備に入った。 当社は、1972年(昭和47年)9月創業された従前の事業を受け継ぐ形で、2008年(平成20年)5月に設立されたホテル運営業者。「ホテル郡上八幡」は客室49室で宴会場やホール等を完備し、最大約300名までの宿泊客に対応するホテルで、「郡上おどり」への観光客やスキー客などを主な利用者としていた。そのほか、ドライブインレストラン「大滝苑」なども運営し、地元では一定の知名度を有していたが、温泉設備等への積極的な設備投資を進めたことで金融債務が増加。96年の東海北陸自動車道の開通で人の流れが変わったことで、団体客などの利用者が減少し、業績は低迷していた。事態を打開すべく従前の運営会社である千虎観光(株)(TDB企業コード:450069541、2010年11月特別清算終結)より、当社が事業を受け継いでいた。その後、不採算部門の縮小などに取り組み、2011年2月期には年収入高約8億円を計上していた。 しかし、インバウンド需要の取り込みを進めたものの集客は伸び悩み、収益性は低迷していた。さらに、コロナ禍の影響で観光需要が喪失し、2024年2月期の年収入高は約3億5000万円にダウン。その後も業況改善は進まず、事業継続は困難となり、8月1日に公式X(旧Twitter)などで「ホテル郡上八幡・郡上温泉宝泉の営業は令和6年8月1日の昼食予約団体の受け入れをもちまして営業を停止いたします」と発表し、事態が注目されていた。 負債は約5億6000万円(うち金融債務は約3億5000万円)。