うだつの上がらない会社員が15年目で初めてもらった賞…チャンスの時にとるべき“正しい行動”とは
何とかなるかも、しれない…
までたぐりよせました。 そして、佐々木君が私のコードをベースに改良を重ね、いや、もうベースって言うのが恥ずかしいくらい先輩を余裕で凌ぐプログラムを書いてくれて、 あれ? イイ感じかもしれない……の所まできています。 そんな中、上司から呼ばれた私と佐々木君。 会議室に入ります。コロナ用のついたてが、サーキュレーターの風に当たりゆらゆらしています。 なんだろ。怒られるのかな? 「2人とも、こちらに座って。」 私たちの前にある用紙が出されました。 その用紙には、
【企業賞 候補】推薦状
と書かれていました。 「今、ぽにさんがリーダーをしている技術案件、部署長が役員に通してノミネートできるよう根回ししてくれたんだ。」 ほへっ?ホントですか? 「これに通ると、研究費ももらいやすくなる。そして、功労者には賞金が出る。」 賞金ですか。 それは・・素直に嬉しい。「賞金は僅かだけどもらえるよ。1案件に、25万円だよ。案件当たりだから、人数が多いと割ることになる。」
25万円!!
ごくり。 リアルな数字。 家計には助かるよ。 「ぽにさんと佐々木君の名前で申し込もうと思うけど、いいかな。受賞すると25万円を折半することになるからね。」 あっ、うーん。 でも、 それは、どうしよう… チラッと佐々木君の方を見た時、同じことを考えている雰囲気でした。 いやね、正直、賞金が出るのはとてもうれしい。半分頂き、税金が引かれたとしても10万円近くもらえる。 10万円って、いろんなモノが買える。 でも…… 名誉とリアルな賞金を頂くと同時に、
失うものも確認しないと
今回、実務として動いたのは、私と同じ研究室の佐々木君。 ですが、いろんな人のアドバイスと支えがありました。 必死になって実験サンプルを探してくれたメンバーもいました。 厳しい言葉をかけつつも、上手く行くように導いてくれるメンバーもいました。 いや、まだ成功してないけどさ。 イイ感じの波を起こしてくれたのは、彼ら彼女たちのおかげ。 ここで、私たちだけ企業賞を頂ける候補になると、どんな気持ちになる? しかも、突然、社内一斉メールとかで知らせられたら? はいぃ?! となるでしょう。「お前らの企業賞のためにワシらは動いて来たんかーい!」ってなるかもしれない。 実際、そんなお話はゴマンと聞いたことがある。 佐々木君をチラッと見る。 たぶん、同じことを考えていると思う。マスク越しだから、目元しか分からんけど。 上司に質問してみます。 「プロジェクトメンバーを全員入れることはできませんか?」 上司は、 「ええ。もちろん良いですよ。賞金はそのメンバーで分けることになります。」 そして、その後、付け加えた言葉がエグイ。