大関大の里誕生 「唯一無二の力士目指す」
日本相撲協会は25日、東京・両国国技館で大相撲九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)の番付編成会議と臨時理事会を開き、西関脇大の里(24)=本名中村泰輝(だいき)、津幡町出身、二所ノ関部屋=の大関昇進を満場一致で正式に決めた。昇進伝達式の口上で大の里は「大関の地位を汚さぬよう、唯一無二の力士を目指し、相撲道に精進します」と力強く宣言した。 臨時理事会後、相撲協会の使者が茨城県阿見町の二所ノ関部屋を訪れ、大の里と師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)に昇進決定を伝えた。 ●輪島、出島以来 石川25年ぶり 石川から大関が誕生するのは輪島(七尾市出身)と1999年名古屋場所後の出島(現大鳴戸親方、金沢市出身)以来で、昭和以降3人目となる。大の里は「まだ上に番付がある。まだまだこれから」と綱とりに意欲をにじませた。 初土俵から所要9場所での大関は羽黒山、豊山、雅山の12場所を抜いて昭和以降最速。幕下10枚目格付け出しデビューから1年半足らずで、大銀杏(おおいちょう)を結えない極めて異例の「ちょんまげ大関」となった。 大の里は今月の秋場所を13勝2敗で制し、直近3場所合計34勝で昇進目安の33勝を上回った。新大関の誕生は今年初場所後の琴ノ若(現琴桜)以来で、来場所は1横綱3大関となる。 ★大の里 本名中村泰輝(だいき)、津幡町出身、二所ノ関部屋。津幡小―新潟・能生(のう)中―同・海洋高。日体大で2年続けてアマチュア横綱となり、23年夏場所で幕下10枚目格付け出しでデビュー。同年秋場所、元横綱稀勢の里が師匠の二所ノ関部屋から初の新十両に。24年初場所で新入幕を果たし、3場所連続で2桁白星。新小結で臨んだ同年夏場所で初土俵から史上最速の7場所目で初優勝を果たし、秋場所で2度目の賜杯獲得。三賞は殊勲2、敢闘3、技能3。192センチ、182キロ。24歳。得意は突き、押し、右四つ、寄り。