決勝前に予習!「M-1グランプリ2024」の見所を徹底解説。勝利を掴むのは誰?審査員もがらりと変わる
ジョックロックもまた、今年3月の『マイナビ Laughter Night』で月間チャンピオン、2年連続で『NHK新人~』準優勝と結果を出している。ドラマを設定とする漫才コントが特徴で、ゆうじろーがさまざまな役を演じてボケる中、福本がセンターマイクの前に立ち観客に訴えるようにしてツッコんでいく。笑いどころが明確なため、このパターンがハマれば上位に食い込むかもしれない。 ■ラストイヤーのトム・ブラウンとダイタク
忘れてはいけないのが、今年ラストイヤーとなるトム・ブラウンの布川ひろきとみちお、ダイタクの吉本大と吉本拓の2組だ。 トム・ブラウンは、2018年に決勝進出して以来の返り咲き。バラエティーで活躍する一方で、毎年のように単独ライブを開催するなど地道にネタを磨いてきたことが実を結んだ形だ。準決勝では、彼ららしいカオスなネタに加え、みちおのすさまじいエネルギーがほとばしっていた。狂気と熱量が、決勝の採点をバグらせるかもしれない。
そして、最後の最後で初の決勝を迎えた双子の漫才師・ダイタク。5度の準決勝敗退を経験し、かつての囲碁将棋やガクテンソクと同じ道を辿ると思いきや、悲願のファイナリストとなった。双子をモチーフとした多彩なネタは、個性的でありながら大衆ウケもしやすい。彼らが大会の頂点に君臨する可能性も十分ある。 敗者復活戦に目を向ければ、決勝経験のあるオズワルド、カベポスター、マユリカ、シシガシラ、インディアンス、男性ブランコ、ダンビラムーチョのほか、ドンデコルテ、ひつじねいり、家族チャーハン、例えば炎、今夜も星が綺麗、豆鉄砲、豪快キャプテンら準決勝を沸かせた組も控えている。
どの組も味があり甲乙つけがたいと感じる反面で、徐々に準決勝メンバーの顔ぶれや漫才の主流が変わってきていることにも気付く。それは、今月15日に発表された決勝の審査員によって、さらにくっきりと浮かび上がった気がしてならない。 今年は、審査員が7人から9人に増加。山田邦子、富澤たけしが外れ、博多大吉、礼二、塙宣之、海原ともこの4人が前年に引き続き続投し、哲夫と石田明が2回目、柴田英嗣、若林正恭、山内健司が初の審査員を務める。9人体制は、第2期のM-1が始まった2015年以来2度目。どちらも松本人志不在の大会で「一時的な措置」と捉えることもできるが、大会の新陳代謝をはかるような面々を揃えているようにも思えた。