NHKとテレビ朝日が「同じミス」をやらかした…日本の「大谷ブーム」がもたらした弊害
2つの報道番組が同じ「誤った解釈」を報道
NHKとテレビ朝日、それぞれの報道番組が、それぞれロサンゼルス・タイムズの同じ記事を誤解して報道したことを謝罪した。 【写真】消息不明のイッペイの経歴詐称、アメリカでは「普通」だった衝撃の事実 「テレビ番組では、メディアからの引用については内々の基準があるのに、それを無視しちゃったのも原因でしょう」とは別の情報番組プロデューサーの話。 一体、何があったのか。 問題は、米ドジャース・大谷翔平の元通訳、水原一平氏が違法カジノで借金を負い、大谷の口座から返済していたとされることについての報道だった。NHKは3月30日、「ニュース7」で、ロサンゼルス・タイムズの記事を引用、「検事が大谷の弁護士に『ブックメーカー側への送金は連邦捜査機関が扱う犯罪に該当しない』という見解を示した」と伝えていた。 しかし、これは記事の誤読で、実際には元ドジャースの別の選手、ヤシエル・プイグ氏に関する事件についての話だった。1日になってNHKは訂正・謝罪したが、それに先立ってテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」でも同日の朝、まったく同じ解釈で報道しており、これまた4日の放送で誤りがあったことを謝罪した。 テレビ2局が同じ誤読をするとは思いにくいが、前出プロデューサーはこんな話している。 「新聞や週刊誌がそれぞれ、いろんなニュースを報じて、それをテーマに(テレビが)報道するってことはあります。ただ、テレビは影響力が大きいので、ひとつ基準にしていることがあるんですよ。他のメディアで報じられている場合、そのメディアがひとつしかない場合は基本、鵜呑みにしない。でも、複数の媒体が同じことを伝えていた場合は、扱える範疇とする、というもの。 たとえば芸能ゴシップでも、ひとつの週刊誌だけしか報じていないものだったら基本、扱わないんです。でも、他の媒体も追って扱っているものなら、テレビでも扱えるネタのひとつになる、と。もちろん例外はありますけど、今回の件だと、LAタイムズだけが報じているとなら本来、扱いは慎重になれたはずでした」