窃盗、脅迫、強盗殺人未遂も…不祥事相次ぐ金融業界 元支店長が語る背景
■証券会社 元社員は強盗殺人未遂などで起訴
他の金融業界では強盗殺人未遂事件も起きました。 2024年7月、野村証券の営業職だった元社員の梶原優星被告が、広島市内で顧客宅から約1787万円を奪った上放火したとして、強盗殺人未遂と現住建造物等放火の罪で起訴されました。 捜査関係者などによると、梶原被告は、事件の数日前に顧客の80代夫婦へ、食事会の開催を持ち掛けました。 事件当日、顧客宅で3人で食事をしていた際に隙を見て、夫婦の食事に睡眠作用のある薬物を混入させ、昏睡状態に陥らせたということです。 その後現金を奪い、犯行を隠滅するため放火したとみられています。 さらに、放火前に顧客宅に複数回侵入し、約800万円を盗んだ疑いで、12月9日に追送検されました。 事件当時、梶原被告は、個人的な投資により多額の損失を抱えていて、穴埋めと更なる投資で利益を得ようと考え、犯行に及んだと見られています。 事件を受けて、野村証券の奥田社長は、 「信頼をもってお取引いただくのが、金融機関のあるべき姿。その信頼感にご不安を与えてしまったことは、深くおわび申し上げる」と謝罪しました。 野村証券は今後の対応策として、 ●業務のモニタリング強化、 ●顧客宅訪問の監督強化、 ●一定期間社員に休暇を取得させ、その間に不正調査をする制度の導入、 などを発表しています。
■インサイダー取引で『裁判官』や『東証元職員』刑事告発
金融業界でのインサイダー取引も相次いでいます。 11月1日、三井住友信託銀行は、管理職だった元社員が、業務で入手した情報を基に、株を売買するインサイダー取引を複数回した疑いがあると発表しました。 他にも、金融庁では、出向中の佐藤壮一郎裁判官が、職務を通じて知った未公開情報を基にインサイダー取引を行った疑いで、12月23日刑事告発されました。 東京証券取引所では、細道慶斗元職員が、職務を通じて知った未公開情報を父親に伝え、インサイダー取引に関与した疑いで、12月23日刑事告発されています。 インサイダー取引について、菅井さんによると、 「金融関係者は、会社の内部情報や財務情報を先に知ることが出来る。ただ、それを個人の利益のために利用すると市場がゆがみ、公正な取引が成り立たなくなるため、厳しく規制されている」ということです。