日銀 保有国債の含み損13兆円超 9月末時点では“過去最大”
日本銀行は保有する国債の含み損が9月末時点で13兆円を超え、この時期として過去最大になったと発表しました。 日銀が発表した今年度上半期の財務状況によると、保有する国債を時価で見た評価損は、9月末時点で13兆6604億円となり、この時期としては過去最大となりました。 金融政策の正常化を進める日銀は3月と7月に利上げを行いましたが、これによって長期金利が上昇し、国債の市場価格が下がったことが要因です。含み損は、3月末時点の9兆4337億円から拡大しました。 日銀は会計上時価評価を採用しておらず、時価が変わっても損益には反映されません。ただ含み損が今後さらに拡大した場合、日銀の財務の健全性が問われる可能性もあります。 また大規模金融緩和の一環として3月まで買い入れてきたETF=上場投資信託は、含み益が33兆円を超え、依然として高い水準となっています。 一方、9月末時点の長期国債の保有残高は582兆9910億円となりましたが、買い入れを減らしている影響で、前年の同じ時期との比較では16年ぶりに減少に転じています。