甲子園の150キロ超え投手はプロで成功するのか?
第97回全国高校野球選手権大会の2回戦4試合が12日、甲子園球場で行われ、プロ注目の東海大相模の左腕、小笠原慎之介投手が、対聖光学院戦で歴代最速5位タイとなる151キロをマークした。小笠原は、6-1で迎えた9回一死から左の4番・西山伸之助を迎えたところで登場、いきなり148キロ、147キロと続けて満員の甲子園をどよめかせたが、続く笠原輝に1-2から投じた4球目に高めストレートが151キロを記録。わずか1キロだが、自己最速の150キロを晴れの舞台で更新した。そのボールは一塁側にファウルされたが、最後は消えるように落ちるスライダーで三振。強いインパクトを残してゲームセットを迎えた。 「(151キロが出て)ちょっとビックリしましたが、そんなにスピードは気にしていません。ファウルにされたので、まだまだ成長途中だなと感じました。空振りを取ろうと意識をしてしまいました」 小笠原は、冷静にそう振り返ったが、先発で9回一死まで4安打1失点と好投した同じくプロ注目の右腕、吉田凌は、「(ブルペンの)隣でああいうボールを見て、いつもいつも凄いなあと見ている。ナンバーワンのピッチャーです」と、チームメイトを絶賛した。 ネット裏のスカウトは、色めきだった。別表を見てもらえればわかるが、151キロは、歴代最速5位タイの記録。過去に150キロ超えを記録した投手は21人いるが、平生(宇治山田)と西浦(天理)の2人を除いて全員が、その後プロへと進んだ。しかも、楽天、釜田(金沢)の2位と、阪神、秋山(西条)の4位指名を除いて、全員が1位指名。ヤクルトの由規(仙台育英)や釜田が故障に苦しんでいて、阪神の秋山、ソフトバンクの岩崎(市立船橋)も伸び悩んではいるが、他のメンバーは、説明の必要がないほど、エース格としてプロで結果を出した。現在も、マー君(駒大苫小牧)、藤浪(大阪桐蔭)、大谷(花巻東)、雄星(花巻東)、寺原(日南)、新垣(沖水)、山口(柳ヶ浦)、大嶺(八重山商工)は、堂々のローテーション投手。ソフトバンクの今宮(明豊)は、内野手に転向してレギュラーを獲得している。プロの1軍で、まったく結果を出せなかったのは、巨人の辻内(大阪桐蔭)と、横浜DeNAを自由契約となってからソフトバンクへ育成契約で移籍して、今なお、苦悩中の北方(市船橋)の2人くらいで、かなりの高い確率でプロで大成功しているのだ。