「親子や夫婦関係がギスギスしたときは」口コミで全国に広がった講演「命の参観日」でシンガーソングライター・玉城ちはるが伝えたいこと
自分を信じられると他人を信じられる。他人を信じられると、他人から信じてもらえるようになる。そうなると自分を好きになれる。自分を好きな人は、人を愛せるようになる。人を愛せると、人から愛されるようになるんです。その好循環に気づいてもらいたいと思っています。 3つ目は「相談できる力」についてお話ししています。困っていることを相談できるということは、すでに物事を解決しようとする能力「相談力」があるということを伝えています。
そして講演では必ず歌を歌っています。どんなにしゃべっても伝わらないものが一曲歌うと伝わるということがあるんです。音楽の力はすごいなといつも思うんです。なのでどんな会場でも歌わせてもらっています。
■ゲームを通して親子、夫婦の対話の大切さを知ってほしい ── 講演では「ありがとう・ごめんなさい・大好き」と言う「やさしさ貯金ゲーム」を参加者のみなさんに必ず体験してもらうそうですが、どんなゲームなのですか?
玉城さん:お互いを理解するために対話することって簡単そうで難しいですよね。それをゲームにしたものです。まず手をつないで目を見つめ、お互いに直してほしいところといいところを言って、最後に「ありがとう・ごめんなさい・大好き!」と言うゲームです。これをすると本当に盛り上がって、子どもも大人も笑顔になってくれます。 見つめ合って手をつないでいる距離感だと、オキシトシンという愛情ホルモンが出るんですね。ありがとう(感謝)・ごめんなさい(謝罪)・大好き(愛情)といった言葉をかけてもオキシトシンが出ます。これが怒っているときのストレスホルモンであるコルチゾールをやわらげる働きがあるんです。人って怒っていても手をつなぐと、だんだん落ち着くんですよ。
また、対話をする際、誰かに直してほしいところばかり言われると、相手が自分を否定すると受け止めて「嫌われているのかな」と思ってしまうんですけど、自分のいいことをつけ加えられると、否定されたのではなく「改善点を教えてくれたんだ」と建設的に受け取ることができます。これをゲームとして体験してもらっているんです。 ── なるほど。子どもたちはゲーム感覚で盛り上がりそうですね。大人においては年を重ねるほどこの距離で対話する機会はなかなかありませんから新鮮に感じる方もいらっしゃいそうですね。