「医療が患者の数に負けかかっている」 病床増も、現場医師らに危機感 ―東京
東京都は新型コロナウイルス感染者の受け入れ態勢を整えるため、今週末までに1700床を確保すると発表してきました。一方、都の新規感染者は10日に189人、11日に197人と連日のように一日の感染者数の過去最多を更新。11日時点での入院患者は1810人に上っています。東京都医師会の幹部らは「医療が患者の数に負けかかっている」「病床を増やしてもいたちごっこだ」などと危機感をにじませています。医療現場は今どうなっているのでしょうか? ナイトクラブ、大学、スポーツジム……小池知事が休業要請施設を発表
感染者増は「想定内」も日々高水準だと…
「増えていると言っても、いま陽性が判明している患者は(潜伏期間を考慮すると)2週間前の数。(特措法に基づく外出自粛)要請をしていないころなので、増えるのは当たり前です」 東京都医師会の尾崎治夫会長は、陽性患者数が増えること自体は不思議ではないと説明します。 ただ、「このまま一日当たり200人、300人と増えていくと、病床を一生懸命用意しても、『いたちごっこ』状態となり無理だ。現場はひっ迫している」と訴えています。 同医師会の猪口正孝副会長も、小池百合子都知事が日々の感染状況をライブ配信している「東京動画」に10日夜、ゲストとして出演し、「今の医療(現場)の混乱は 、患者の数に負けかかっているというのでしょうか、(陽性患者)数がスピード感を持って、大量に押し寄せてくると太刀打ちできない。ゆっくり来るんだったらなんとかできる」と説明しました。 猪口副会長は、都内で出た患者を年齢、性別、合併症の有無、重症度などを考慮してどの医療施設に割り振るかを判断する役割を担っています。その観点から「色んなことを考えながら(どの患者をどの病院へ送るか)マッチングさせるが、1日200人近くなるとなかなか大変」とも吐露しました。 その上で、「(感染の)スピードを抑えられるのは、みなさんが(他人と)一緒にいない、接触しない、ということに尽きる」と述べ、人との接触をなるべく控えるよう協力を呼び掛けました。