今年の夏は平年以上の気温に!? 暑さの影響でコメ価格2倍も【WBS】
気象庁は今年の夏は全国的に気温が平年より高くなると予測しています。企業は猛暑に対応した商品の展開を加速させていますが、一方、暑さによって、いま米の価格が一部で2倍になるなど、異例の事態となっています。 気象庁が21日に発表した3カ月予報では、今年の夏も全国的に平年より気温が高くなる見込みです。南米ペルー沖の海面水温が下がる「ラニーニャ現象」が発生する確率が高く、発生した場合、最も暑い夏となった去年並みの暑さになる可能性があるということです。
その熱さをチャンスと捉える企業もあります。住友化学などが合同で開発した「氷撃アルファ」は着用することで暑さを緩和し、涼しさを感じられるウエアです。これまで難しいとされてきた糸そのものに温度調整機能をつけることに世界で初めて成功しました。 大きな特徴は2つ。まず汗など水分を吸収すると生地の温度が下がるため、冷たさが持続します。温度が分かるカメラで見ても、水を吹きかけた左腕だけが温度が下がっています。 2つ目の特徴は、暑いときに熱を放出するだけでなく、寒いときは熱を吸収するため、生地が自動で体温調整の手助けをしてくれます。 「20~35℃の温度範囲で熱を吸ったり放熱したりできる。外気温が高いところとクーラーが効いた屋内とを行き来する場合など、温度を緩やかに変化させてくれる」(住友化学の上田博副社長) 今後、日本だけでなく世界展開を考えています。 「イタリア、オーストラリア、アメリカなどどこへ出展してもすごい反響。酷暑は日本だけではなく世界中なので、世界に向けて僕らは勝負できる」(「リベルタ」の佐藤透社長)
一方、暑さの悪い影響を受けているのが、日本の主食コメです。 「岩手のひとめぼれだが、店の中で一番値上がりしているコメ」(「小池精米店」の小池理雄店主) このひとめぼれの仕入れ価格は60キロでおよそ1万6,000円と、去年よりも2割ほど上昇しています。 「去年コメがあまり取れなかった。夏に暑かったのが一番大きい」(小池店主) 去年の記録的な猛暑の影響で、一般に販売できない形や色が悪いコメが増えたことなどから、流通量が減少し、値上がりしているのです。 卸売業者が持ってきたというリストを見せてもらうと、欠品の文字も。なかには去年の2倍ほどに値上がりしている商品もあるということです。 今年も去年並みの猛暑になると、さらに価格が上昇する可能性があるといいます。 「卸業者のデータだと信じられないくらい高くなっている。客に転嫁するとなると相当戸惑うのでは」(小池店主) ※ワールドビジネスサテライト