「老後資金がゼロ。息子家族への援助もやめられず…」「老後資金は確保済みだが毎月の赤字が心配」FP横山光昭がアドバイス
物価やエネルギー価格の高騰は収まる気配がなく、円安はさらに進むばかり……。社会保障費の削減というニュースも伝わってきて、景気の悪い話題は尽きませんが、お金の多い少ないで一喜一憂するのは、もう終わりにしたいと思いませんか。物価高の打撃から浪費グセまで、家計の悩みを一挙公開。さらに、お金のプロ・横山光昭さんが読者4人の家計簿を診断し、収支改善のポイントを伝授します(イラスト◎古谷充子 構成◎山田真理) 二世帯住宅ならではのCさんの家計は… * * * * * * * ◆家計簿をプロが診断&アドバイス(Cさんのケース) ●Cさん(山梨県在住) 【家族構成】 本人74歳(パート)、夫77歳(自営業)※長男夫婦、孫1人と二世帯住宅で同居 【手取り世帯】月収 20万円(Cさんパート代6万円、年金14万円) 【手取り世帯年収】 240万円 【貯蓄】 100万円 ●お金の悩み わが家は自営業で、長男が夫を手伝っています。 経営が不安定なため、二世帯住宅を建てた時から「息子たちも大変だろう」と彼らの生活費を負担してきました。 老後資金はゼロに近いのですが、やめ時がわからなくて……
◆二世帯住宅ならではの悩みを抱えている場合の 収支改善のポイント Cさんは、二世帯住宅ならではの悩みを抱えています。自営業のため、夫が息子に支払う給与額もわかっているし、子育てにお金がかかるのも知っている。 だから息子家族にお金を出してしまうのですね。今はCさんも夫も健康なので問題ありませんが、現状でも月11万4000円の赤字。毎月貯蓄を削っているなら老後破綻する可能性があります。そうならないために、赤字の解消が急務です。 息子たちには現在の貯蓄額も含めて家計の状況を一度はっきりと見せ、「あなたたちに迷惑をかけたくないから協力してほしい」と相談してみましょう。 【食費・ミニアドバイス】 毎週決まった曜日に1週間分の食費の予算だけを財布に入れて生活すれば、お金が減るスピードを把握しやすい。計画的にやりくりする力がつくため、支出のペースも安定してくるはず 【保険料・ミニアドバイス】 収入や家族構成にもよりますが、保険料は手取りの5%以内にとどめるのが理想。生命保険はライフステージごとに見直しを。子どもが独立したら死亡保障の減額や解約を検討して。医療保険はがんや三大疾病など特定疾患向けの基本的な保障に絞っても 水道光熱費はメーターを分け、スーパーで買った食材も人数分は払ってもらう。それだけで月5~6万円は赤字を減らせます。一人暮らしをする孫の生活費や保険料もサポートしているということですが、これは本来、息子たちが出すものです。息子家族の将来のためにも、計画的にお金の流れを考える経験をさせておくべきだと思います。
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