『おむすび』キムラ緑子、美佐江の孝雄への思いを語る 「愛が無いと他人に対して怒らない」
NHK連続テレビ小説『おむすび』に出演しているキムラ緑子のインタビューコメントが公開された。 【写真】朝ドラ『半分、青い。』にも出演していたキムラ緑子 本作は、平成・令和を舞台にしたオリジナル作品。“ギャル”だった主人公が栄養士となり、現代の抱える問題を解決していく。脚本は『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系)、『正直不動産』(NHK総合)などの根本ノンジが手がけている。 キムラが演じているのは、さくら通り商店街でパン屋を営む佐久間美佐江。震災で親族を亡くしている。 キムラは朝ドラには多く出演しているが、大阪での撮影にホッとする気持ちがあったという。 「関西出身ですし、大阪でお仕事をさせてもらうことも多いので、朝ドラの撮影を大阪でできることは、ほっとしますね。BK(NHK大阪放送局)はアットホームな雰囲気なので、関西弁でお芝居ができることをうれしく思っています」 被災の経験者である美佐江を演じるにあたってはさまざまな葛藤があったという。 「30年前の阪神・淡路大震災で被災していますが、震災という壮絶な体験をもつ人は本当に強くて優しいのです。一方で、被災した体験を演じることの難しさを感じています。実際に被災したことがないので、それは絶対に無理なんです。でも無理だと思い続けても、それでも起こったことを何とか想像して演じることが大事だと思っています。食べ物がない、水がない、何日も着替えもできないという避難所の設定であっても、実際の避難所の撮影では、その日に現場に入ってその時だけの撮影です。もうずっとここで寝泊まりして撮影できたらいいのにと、もどかしさを感じていました」 神戸編には個性豊かなキャラクターたちが登場している。商店街の面々については、「全員が知り合いで、一緒に商売して助け合って一体感があります」とコメント。 「ヘアサロンヨネダにしょっちゅう集まって居心地が良い家族のようなんです。テーラー店の高橋役を演じる内場勝則さんはお笑いのプロなので、こちらがどんな演技をしても、きっちり受け止めて返してくれるので安心感があります。ほかの商店街の面々も和む人ばかりなので雰囲気の良さが画面を通して伝わるといいですね。緒形さんが演じている渡辺孝雄とも、きっと仲が良かった時代があったんだと思います。震災で娘さんを亡くした辛さから抜けられずにいる孝雄を、なんとかそこから抜け出させてあげたくて美佐江はジリジリしている。そのジリジリが怒りになっているんです。憎しみではないんですよね、すごく愛があるんだと思います。愛が無いと他人に対して怒らないじゃないですか。関わりが深い人だからなんとかしてあげたいし、だからこそ『バカヤロー!』とも思ってしまう。関係性が濃いんですよね。その人の関わりの深さも商店街ならではだと思います」 最後に視聴者へ向けて次のようにメッセージを送った。 「震災の問題が奥底にあって震災のPTSDも描かれますが、物語としてはずっと明るいです。神戸の商店街の面々のにぎやかさもそうですし。ギャルの子たちも個性的でかっこいいですよ。そこも楽しみにご覧になっていただきたいです」
リアルサウンド編集部