ボルボ、全車EV化の方針を撤回 PHVやHVも販売 欧米で広がる戦略見直し
スウェーデンのボルボ・カーズは4日、2030年までに新車を全て電気自動車(EV)とする目標を見直し、90%以上をEVとプラグインハイブリッド車(PHV)、残り約10%をマイルドハイブリッド車(HV)とする方針を発表した。欧米メーカーではEVの普及鈍化により電動化戦略を見直す動きが広まっている。 同社は、30年までに全世界での販売をEVのみとし、HVを含む内燃機関車を段階的に廃止する方針を21年に発表した。今回の見直しにより、30年の自動車1台あたりの二酸化炭素(CO2)削減目標も18年比75%減から65~75%減とする。 同社の24年4~6月期の世界販売でのEV比率は26%だった。すでに発売済の5車種に加えさらに5モデルを開発中とする。今後はPHVにも力を入れ、電池とモーターのみでの航続距離を伸ばすための改良を続けるという。 今回の方針変更について「充電インフラの展開が予想よりも遅れ、政府の奨励策撤回やEVへの関税により、さらなる不確実性が生じている。電動化への移行を支援するため、より強力で安定した政府の政策が必要」とした。 欧州ではドイツでの補助金終了など、EVの普及ペースが鈍化。中国メーカーもEVの輸出を強化し、欧米市場では関税の引き上げに発展している。これを受けてメルセデス・ベンツや米フォード・モーターがHVなども販売する方針に改めた。