米家賃インフレ、26年まで収まらず-クリーブランド連銀のモデル示唆
(ブルームバーグ): パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、住宅インフレは「まだ完全に正常化していない」とし、当局者らが注視し続けていると述べた。
実際、消費者物価指数(CPI)における家賃インフレが新型コロナ禍前の標準的水準に落ち着くには、2026年半ばまでかかる可能性があることが、クリーブランド連銀の調査で明らかになった。一部には新規契約の家賃が下落傾向にあることが示唆されているが、引っ越しをして新たな契約を結ぶ人は減っているため、CPIの調査サンプルでは実態が十分に把握できないと、同連銀の調査担当者は指摘した。
住居費はCPIの最大カテゴリーで、10月は総合CPIの前月比上昇率の半分以上を占めた。クリーブランド連銀が予測するように、住居費があと1年半にわたって高水準で推移すれば、インフレでの進展を利下げの主要な論拠に挙げている米金融当局に課題を突きつけることになるだろう。
インフレーション・インサイツのオメイア・シャリフ社長は「たとえ家賃のような遅行データであっても、インフレ上昇の兆候はコミュニケーションを難しくする。最終的に利下げをより困難にする可能性がある」と指摘。「既に1人が反対票を投じていた。CPIの上昇にもかかわらず利下げ継続を主張すれば、反対票がさらに増えるだろう」と話した。
シャリフ氏は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.5ポイント利下げに反対したボウマンFRB理事に言及。ボウマン氏はより小幅な利下げを支持した。FRB理事としては異例の反対票となった。今月の0.25ポイント利下げ決定は全会一致だったが、12月以降の見通しは不透明だ。
パウエル議長は14日、ダラスでの講演で、最近の米経済が「目覚ましく良好」に推移しているとし、慎重なペースで政策金利を引き下げる余地が生じていると発言。経済データが許せば、利下げをゆっくり進めるのが賢明だろうとの認識を示した。