谷川俊太郎さん作詞の校歌を誇りに 酒田・鳥海小で「おはなし会」
戦後日本を代表する詩人で先月、老衰のため92歳で亡くなった谷川俊太郎さんをしのび、谷川さん作詞の校歌がある酒田市鳥海小(高橋奈緒美校長、134人)で18日、「おはなし会」が開かれた。酒田詩の朗読会主宰の阿蘇孝子さん(69)=同市=らが谷川さんの詩を情感豊かに朗読し、子どもたちが谷川さんへの思いをかみしめた。 同校は1997年4月に旧上田、旧本楯の2校が統合し「本楯小」として開校、99年に現校名となった。「とおくまで」と題した校歌の作詞は谷川さん、作曲はミュージシャンの小室等さんが手がけた。歌詞は1番から3番まであるが、谷川さんが作ったのは2番までで、3番の歌詞は児童に託している。6年生が3学期に作詞することが伝統となっている。 この日は、谷川さんと交流があった阿蘇さんら計3人が同校を訪れた。1~3年生と4~6年生向けに分けて会を開き、谷川さんの「いしっころ」「朝のリレー」「せんはうたう」「春に」など、校歌を含み十数作品をギターの演奏を交えて披露した。
6年飯塚紗世さん(11)は「谷川さんが、うれしいことや悲しいことなどいろいろな意味を込めて詩を作っていたことが分かった。校歌を誇りに思いながら、3番を作りたい」と話した。阿蘇さんは「谷川さんは、人間の悪い部分も踏まえながら、人の心の中の良い部分を引き出そうとした方だと思う」と語った。