全長2.3メートル「リュウグウノツカイ」剥製に 腹びれにある発光器が残る珍しい個体 島根県隠岐の島町で展示
島根県隠岐の島町の近海で発見された深海魚リュウグウノツカイが剥製にされ、このほど、同町中町の隠岐自然館で展示が始まった。発見時に立ち会った同町加茂の島根大隠岐臨海実験所、吉田真明准教授(42)=進化ゲノム生物学=の解説があり、隠岐は深海生物が浅場に姿を見せる世界でも珍しい海域だと強調した。 【写真】リュウグウノツカイはく製に 隠岐自然館に展示 近海で昨夏捕獲
リュウグウノツカイは全長2・3メートル。2023年6月に五箇地区の大敷き網で捕獲され、実験所に提供された。冷凍して長野県の会社が剥製に加工した。14日の披露では、職員と吉田准教授が天井近くからワイヤでつり下げた。 吉田准教授によると、尾びれ以外はほぼ原形をとどめており、特に長い腹びれにある発光器が残る個体は珍しいという。水深200メートル以上の深海から浅場を行き来し、最大で体長は8メートルになるが、日本海では比較的若い2メートルほどの個体ばかりが見つかるという。 吉田准教授は「隠岐周辺は世界的にも深海魚が現れやすいホットスポットになっている」と解説し、深海が近い場所にある海底地形が影響するとみている。 参加者は臨海実験所でも生きる化石ともいわれるヌタウナギを観察。リュウグウノツカイと同様に浅場で捕獲できる海域は世界でも珍しいという。隠岐水産高校3年の佐藤陽亮さん(18)は「動画サイトで見たリュウグウノツカイが、身近な所で捕れるのには驚いた」と話した。