「三度目の正直」で雪辱を 強打の広陵、誓うリベンジ センバツ出場校紹介
2年連続26回目の出場となる広陵(広島)は、投打ともにハイレベルな選手がそろう。明治神宮大会では2年連続決勝で大阪桐蔭と対戦。1点差で敗れたが、地力を証明した。中井哲之監督は「決して強くはないが、戦い方によっては弱くない」と一定の手応えを感じている。
破壊力抜群の上位打線
昨秋の中国大会は4試合で36安打37得点で優勝。2大会連続で出場した明治神宮大会でも優勝こそ逃したが3試合で16得点と高い攻撃力を見せつけた。 強力打線の軸となったのは田上夏衣(2年)で中国大会では打率5割、5打点と勝負強さを発揮。決勝では本塁打も放った。真鍋慧(2年)は身長189センチ、体重89キロの恵まれた体から鋭いスイングで長打を放ち、明治神宮大会では2本塁打で観客を沸かせた。4番で主将の小林隼翔(2年)らを含めた上位打線は強力。中井監督も「(打順を)動かしようがない」と信頼する。
投手陣も充実しており、エース左腕の倉重聡(2年)は磨き上げた制球力で打たせて取る。変化球を投げ分ける横川倖(2年)はチェンジアップを決め球にカーブなどを織り交ぜる。高尾響(1年)は中国大会前に疲労骨折した右足が癒えて復調。最速145キロのストレートを武器に甲子園のマウンドを目指す。
「大阪桐蔭に勝って日本一に」
心に刻む悔しさがある。昨年夏の広島大会。優勝候補の筆頭に挙げられながら、3回戦・英数学館に1―2でまさかの敗戦を喫した。その試合で先発したのが倉重で、最後の打者となったのが真鍋だった。倉重は「夏の悔しさがあって練習で追い込めた」。真鍋は寮の自室の扉に当時の新聞記事を貼り、糧としてきた。 明治神宮大会決勝は、2大会連続で大阪桐蔭との対戦となった。一時は5点リードするも中盤に逆転を許し、雪辱を果たせず。センバツ優勝に2回導いた中井監督の指揮の下、厳しい鍛錬に励んでいる。 センバツ優勝3回で「春の広陵」の異名を取る。たくましさが増したチームが狙うはライバルの打破。真鍋は「三度目の正直で大阪桐蔭に勝って日本一を取りたい」と誓う。
22年春に女子硬式野球部を創設
1896年設立の私立高校。1998年に男子校から共学化した。校訓は「質実剛健」。ニュージーランドへの1年間の長期留学で国際感覚の育成に力を注ぐ。国公立大進学を目指す「特別進学コース」や私立大進学などを目指す「総合進学コース」がある。 硬式野球部は1911年創部。甲子園には春夏通算48回出場し春は3回優勝した。プロ野球・広島と阪神で活躍した金本知憲さんや楽天の吉川雄大選手、オリックスの福田周平選手らを輩出。2022年春には女子硬式野球部も創部した。体操競技部なども強豪。