シリコンバッグの寿命は10年? 自分の脂肪を注入する方法も…豊胸手術のメリット・デメリットを医師に聞く
整形がコンプレックスを解消する手段としてポジティブに捉えられつつある。なかでも豊胸手術は昔も今も需要の高い美容医療の1ジャンルだ。ところが近年、「メスを使わない豊胸手術」の健康被害が続出。厚生労働省や美容外科学会が警鐘を鳴らすまでとなった。豊胸手術は歴史が長く、技術革新も目覚ましいが、その施術の方法はどのように変化しているのだろうか。たしかな技術でインフルエンサーや芸能人からの指名も多い共立美容外科の木畑智哲さんに、豊胸手術のさまざまな方法や、そのメリット・デメリットをつまびらかに語ってもらった。 【写真】総額2億越えの整形美女ヴァニラのビフォーアフター「目指すはフランス人形」 ◆シリコンバッグの寿命は10年、健康面に問題がないのであれば除去の必要はない ──豊胸手術は昔から美容医療の代表的存在というイメージがあります。 【木畑智哲さん】 歴史は長いですね。最近の施術例では、80代の方が他の美容外科で40年ほど前に入れたという豊胸バッグが破損しており、中身がドロッと出ていたため除去を行いました。生理食塩水バッグやジェルバッグにはそうしたトラブルが多いのですが、近年はハサミで切っても内容物が出ないシリコンバッグが主流ですので、破損もだいぶ減っています。ただ前述の患者さんに関して言えば、それだけ長いこと問題なく使用されていて、当時としてはそれなりに質の良いバッグを入れられたんだなと思いました。 ──一般に豊胸バッグの耐用年数はどれくらいなのでしょうか。 【木畑智哲さん】 シリコンバッグは10年ほどが寿命とされていますが、健康面に問題がないのであれば除去の必要はないと思っています。ただバッグ自体の経年劣化は当然あり、それによって胸に不自然なシワや凸凹が出てしまうこともあります。また60代以降になると皮下脂肪が痩せ、皮膚も薄くなってきて“いかにもバッグを入れている感”が目立ってくるため、個人的にはある程度の年齢の方にはバッグ除去をお勧めしたいですね。除去によって胸が小さくなるのを気にするのであれば、“脂肪豊胸”に置き換えたほうがよりナチュラルで美しく、満足度の高い仕上がりになると思います。 ──脂肪豊胸とはどのような施術なのでしょうか? 【木畑智哲さん】 太ももなどから採取した脂肪を胸に注入する方法で、ご自身の脂肪を使うためアレルギー反応がありません。最大のメリットは見た目、触感ともに自然な胸と変わりないこと。ただし痩せ型の方などは、十分にサイズアップできるほどの脂肪を確保できない可能性もあります。また他の豊胸術と比較してもハイレベルな技術が求められますので、施術料が高額になりがちなのがデメリットの1つと言えるかもしれません。