【独自取材/シンソウ】出版大手も「ランサムウェア」被害に!巧妙化するサイバー犯罪捜査の最前線【岡山】
岡山放送
独自取材でニュースを深堀りするシンソウです。出版大手のKADOKAWAなどで、サイバー攻撃による個人情報漏えい事件が相次いでいます。現状と捜査の最前線を取材しました。 「人事移動」、漢字が間違っているファイルに。見覚えのない怪しいサイト。こうしたメールにうっかり反応し、クレジットカード番号などを入力してしまうと、金や個人情報を盗まれてしまいます。 不正送金の被害は、2023年、全国で約87億円と過去最多に。岡山県でも過去最多の8000万円余りでした。こうした現状に、警察も手をこまねいてはいられません。 (岡山県警サイバー犯罪対策課 小野泰賀巡査長) 「(電話)サイバー犯罪対策課、小野がとりました。何の事件ですか。詐欺ですね」 岡山県警では、現在6人のサイバー犯罪捜査官が、専門的な知識を生かして捜査にあたっています。最年少の小野泰賀巡査長(25)は、サイバー空間の治安を守る仕事にあこがれて、警察官になりました。 (岡山県警サイバー犯罪対策課 小野泰賀巡査長) 「スマホやサーバーに残っている痕跡から技術の応用を使って、犯人を実際に見つけて、犯罪を立証して、犯人を捕まえるということは警察官にしかできないこと」 しかし、犯罪グループの手口は年々巧妙化しています。 今、問題となっているのが、出版大手KADOKAWAも被害を受けた「ランサムウェア」。身代金ウイルスとも呼ばれています。端末のデータを勝手に暗号化し、その復旧を条件に、身代金を要求する不正プログラムです。 岡山でも県精神科医療センターが2024年5月、ランサムウェアとみられるサイバー攻撃を受け、電子カルテを含む最大4万人分の患者情報が流出したと発表しました。新手の犯罪の登場に、捜査はますます高度な技術が求められています。 (岡山県警サイバー犯罪対策課 小野泰賀巡査長) 「ウイルスの構造がどうなっているのか、どこと通信をしているのかなど解析して、犯人が使っているサーバーや通信先を解析して、そこを端緒に捜査をしていく」 端末の脆弱性を狙って侵入されるケースが多く、ソフトウェアなどは最新の状態にすることが大切。ウイルス対策ソフトを導入することも有効です。 パスワードは、必ず初期設定から変更し、よく使用されるパスワードを使用しない。大文字、小文字、数字、記号を組み合わせる。他のサービスと同じパスワードは使用しないことなども被害防止につながります。 (岡山県警サイバー犯罪対策課 小野泰賀巡査長) 「SNSなど便利なサービスが増え、知らない人ともつながれるようになってきている。(怪しいメールなどがきたら)本当に相手の人が存在するのか、信頼できる人なのか、今一度立ち止まってもらうことが大切」 警察は、ランサムウェア被害に遭った場合は、アクセス履歴などを保存したうえで、警察に相談してほしいとしています。
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