次世代CT、県内初導入 松任石川中央病院 公立で全国初、9月から運用
●被ばく量減、高精細撮影 白山石川医療企業団は、次世代型のCT(コンピューター断層撮影)1台を公立松任石川中央病院(白山市)に配備した。従来のCTに比べて被ばく量を大幅に低減して患者の負担を減らし、高精細な画像を元に迅速で正確な診療につなげる。導入は民間病院を含めて県内で初めて。25日は内覧会が開かれ、病院関係者やCTを共同利用する開業医が地域医療の推進と南加賀の中核病院としての機能強化に期待を込めた。 新たに配備したCTはドイツ・シーメンス製の「ネオトムアルファ」で、世界100施設以上で稼働している。国内での導入は12例目で、公立病院としては初めてとなる。9月から本格運用を始める。 高速撮影によって撮影時間が短縮し、被ばく量が減少。血管内腔(ないくう)や血管内のステント(金網状の器具)を鮮明に観察でき、精度の高い3D画像の作成もできる。造影の効果を高めており、造影剤の投入量を減らすことで患者の負担が軽減される。 同病院によると、これまで配備されていたCT3台を使った検査は年間約1万2千件。待ち時間が発生する場合もあったが、4台目のCTを導入することで、待ち時間が短縮して利便性向上につながるとしている。 地域医療支援病院である同病院では、CTは病院患者のほか、市内などの開業医から紹介を受けた患者も利用できる。 内覧会では、尾山勝信病院長が「速くて体に優しく、よく見えるCTを日頃の診療に役立ててほしい」とあいさつ。出席者はCTで撮影した画像について、同病院の秋元学放射線科部長らから説明を受けた。