世の中捨てたもんじゃない!心がほっこりする、私が出会った“神対応”エピソード
本当は手助けしたいと思っている“神様”はたくさんいる!
心が温まる素敵な話が多いですね。最後に家族アドバイザーも務める鳥居りんこさんに、ご自身が出会った神対応の人の紹介とともに、自分もできる手伝い方や気の遣い方などについて聞きました。 「おお!なんとタイムリーなトピックでしょう。それというのも、ワタクシは押しも押されもせぬ立派なおばあちゃんなので、子育てに関しては助ける側だと思っていたんですね。 ところが思いがけず、助けられてしまったのです。いや~、感動したので、今回はこの話題から。 ワタクシには今現在、2人の孫がいるのですが、両方、乳児。 先日、この孫2のほうの両親が揃ってコロナに感染。緊急要請が来たので、孫2を車でワタクシの自宅に避難させました。30年ぶりのワンオペ育児に緊張しておりましたが、翌々日から、この乳児の吐くわ戻すわが始まりまして、あれよあれよという間に体温も40℃を突破。 もう、婆さんはパニックです。 『どげんかせんといかん!』なのですが、何せ、昔取った杵柄は古すぎてサビ付いてるなんてもんじゃない。 『熱が高い時のミルクはどうするんだっけ? 』『引き付けを起こしたらどうしよう!?」『小児科? でも、どこに行けば? 』などと、あたふたしておりました。 『お願い、神様、助けて~~!』状態だったのですが、その瞬間に神様降臨。というのも、フト窓の外を見たら、偶然、神様が通りかかるのを目にしたからです。 その神様とは小児科でナースをしているご近所さん。慌てて呼び止めたら、彼女がコロナ感染のリスクもものともせず、すぐに体温計と冷却ジェルシート持参で部屋まで入って来てくれて、テキパキと検温。呼吸チェックをしてくれた後は、応急措置として、赤ちゃんサイズにしてくれた冷却ジェルシートを首・脇・太ももの付け根に貼ってくれ、さらに、信頼できるというおススメの小児科に繋いでくれたのです。 (※冷却ジェルシートはあくまでも病院に行くまでの応急措置。くれぐれも貼りっぱなしにしないようにとの注意がありました) ドクターもナースもとても優しくて、今後、予想されること、注意点、躊躇なく救急車を呼ぶべき症状などもくわしく教えてくださり、さらに婆さん(←ワタクシ)を一生懸命、励ましてくださったので、思わず涙。 ご近所ナースを含め、医療従事者さんは“本当に人を救う”と実感した出来事になりました。 赤ちゃんである孫にはツラい試練でしたが、人の情けや温かさをダイレクトに感じることができまして、人様の無償の愛に感謝しているところです(おかげ様で孫は無事に回復しております)。 赤ちゃんを育てていると、毎日、良いことも悪いこともたくさんあると思います。 自分の命以上に大切で、しかも1人では生きられない存在を『今日も1日、無事に生かしておくだけ』のことが想像以上に重くのしかかってくるので、親の神経はずっと緊張しているようなものですよね。 そういう状態なので、町で心ない対応を受けると必要以上に凹んでしまいますが、ワタクシのように、赤ちゃん連れには親切にしたくてたまらない人たちもたくさんいるはずです(少なくとも、ワタクシの友人知人のおばあちゃん族はみんな、そうなんですよ~)。 ただ、ご時世的なこともあって、助けたくとも声をかけにくいということはあるかと思います。『逆に迷惑かな? 』って躊躇しちゃうんですね。 でもね、困ったときはお子さんのためにも『ちょっとだけ手助けしてもらえませんか? 』とSOSを発信してみてください。そう、孫の発熱でパニックになったワタクシのようにね。 町には意外と多くの神様がいることも、また事実です。もし、神様に出逢った際には、その親切を快く受け入れて欲しいなと思います。 そのことが、“神対応”をした側、された側、双方の心をあったかくしていきますし、その感謝が、巡り巡って子育ての自信になったりもしていきます。 『ありがとうございます』⇔『どういたしまして』がドンドンと広がる世の中になると嬉しいですね。 ワタクシも今回受けた御恩は、別の小さな形でも構わないので、どなたかにお返しできるといいなと願っているところです」(鳥居りんこさん)身近なところから、「ありがとう」「どういたしまして」が増えれば、一人ひとりの負担が軽くなっていくのではないでしょうか。“神対応”のエピソードを読むだけで、ちょっと幸せになりますね。 (取材・文/橋本真理子)
鳥居りんこさん
PROFILE) 作家、介護・家族アドバイザー。2003年、学研より『偏差値30からの中学受験合格記』でデビュー。実体験に基づいた『中学受験シリーズ』が人気。近著に『増補改訂版 親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ』(双葉社)『女はいつもどっかが痛い がんばらなくてもラクになれる自律神経整えレッスン』(小学館)など。執筆・講演活動などを通じて、子育てや受験、就活、介護に悩む母たちを応援している。 ※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。 ※記事の内容は2024年3月の情報で、現在と異なる場合があります。
たまひよ ONLINE編集部