秩父鉄道の「走るお化け屋敷」で避暑体験!?
【汐留鉄道倶楽部】長引く暑さにのたうち回っていると、スマートフォンに「走るお化け屋敷」の案内が届いた。2018年7月23日に日本歴代最高気温タイとなる41・1度を観測した埼玉県熊谷市を走る私鉄の秩父鉄道が、お化け屋敷を設けた臨時電車「ひえひえ列車」を24年8月24日に運行するという。背筋が寒くなる避暑体験を求め、高校生の息子を含めた2人分を申し込んだ。 【写真】バスに変身、世界初の二刀流 阿佐鉄DMVで室戸岬目指す
ひえひえ列車は熊谷―長瀞(埼玉県長瀞町)間を往復し、親子連れなど計51組(1組最大5人)の参加を募っていた。特別な料金は不要で、運転区間の運賃だけで乗ることができる。 長瀞から熊谷へ向かう列車を予約した上で、西武鉄道の特急用車両「ラビュー」001系(記事「西武特急ラビュー5年、新旧車両を乗り比べた『大違い』は?」参照、https://www.47news.jp/11122076.html)で運行する池袋(東京)発西武秩父(埼玉県秩父市)行き特急「ちちぶ」に息子と乗り込んだ。 終点の西武秩父から5分ほど歩いて秩父鉄道御花畑駅(同市)に着くと、長瀞方面に向かう電車がホームに滑り込んできた。 長瀞駅前の受付場所に集合時刻の午後0時50分に赴くと、係員の男性は「車内でミッションがありますので、こちらの紙に記入してください」と言いながら用紙とボールペンを渡してくれた。IC乗車券を読み取り機にかざして駅構内に入場し、構内踏切を渡った先のプラットホームの3番線に「ひえひえ列車2024」と記したヘッドマークを取り付けた電車が待ち構えていた。
東急電鉄から譲り受けたステンレス製電車8090系を一部改造した3両編成の7500系だ。真ん中の車両は窓に暗幕を貼った〝お化け屋敷車両〟に仕立てており、息子と私は最後尾の車両に案内された。小さな子どもを連れた家族の参加が多い。 車内にいた男性車掌は、ロングシート座席に腰かけていた私たち参加者に「順番にご案内しますので、それまではお待ちください」と呼びかけた。 秩父鉄道は単線のため、反対方向の電車と一部の駅で行き違う。そのために数分間停車することになり、手始めに寄居駅(埼玉県寄居町)にしばらく停車した。 ようやく出発したと思った次の瞬間、「次はオマエダ」と身の毛がよだつようなせりふで呼びかけられた。「参加者を案内する口調もお化け屋敷らしいな」と思いきや、次の停車駅が小前田(おまえだ)駅(同県深谷市)なのを知らせる案内だった。 「小前田でしばらく停車します」と車掌に教えてもらったため、ドアを開けるボタンを押してホームに出た。車内の温度を快適に保つために扉が閉められており、電車に乗り込むには「ドア」と書いた赤いランプが点灯した部分のボタンを押して開ける必要がある。 お化け屋敷に使っている真ん中の車両を外から眺めると、「ドア」のランプが光っているではないか。「もしもこのボタンを押してドアを開け、中に首を出して『ばーっ!』と叫んだらお化け役も驚くかもね」と冗談を言うと、息子から「不適切にもほどがある!」と言わんばかりに「変なことを考えるのはやめなさい」と制止された。