凡人が天才に勝つために必要な「ライバル」の存在。つんく♂が「圧倒的な力の差を見せつけられた」とする大物アーティストとは?
凡人が天才に勝つ方法 #2
自分の才能をさらに伸ばしたいとき、「ライバル」の存在は原動力となってくれる。シャ乱Qとしての活動や歌手・グループのプロデュースで輝かしい実績を残すつんく♂にも、「嫉妬する天才」が存在していたという。 【関連書籍】自分の中の「眠れる才能」を見つけ、劇的に伸ばす45の黄金ルール
『凡人が天才に勝つ方法』(東洋経済新報社)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
「絶対に勝てない相手」に勝手にライバル心をもつ
デビュー前、大阪のアマチュアバンド時代の僕らは、ジェラシーの塊(笑) でした。 大阪のアマチュア界ではある程度有名になっていましたが、「東京」への嫉妬と敵対心で満ちあふれていたんです。 「俺らよりも下手やのに」 「たいしたルックスでもないのに」 そんなふうに思っていたバンドが、人気雑誌に載っているのを見ると悔しい。 「たいしたことない」と思っていたバンドなのに、深夜のテレビ番組などで特集が組まれると、日本青年館ホールや渋谷公会堂でのライブがすぐ決まっていきます。 「東京にいたら、俺らもさっさとスターになっているはずなのに」などと、言い訳めいたジェラシーの塊で生きていました。 嫉妬や愚痴ばかりの僕らでしたが、時には「圧倒的な才能」を目の当たりにすることもありました。 「いまの自分では絶対に敵わない相手」 を前にすれば、それまで愚痴っていた「東京だからええよな」「俺らだって、もっとやれるのに」という感情が吹き飛びます。 そして 「もっと頑張らな!」 と思えました。 ここからは、僕が「敵わない」と思った存在について、少しだけ語らせてください。
「圧倒的な力の差」を見せつけられたMr.Children
以前、『日曜日の初耳学』(MBS毎日放送)という林修先生がMCの番組に出演させていただきました。 その番組で「僕が嫉妬する天才」として名前をあげたのが、Mr.Childrenです。 1992年、同じ年にデビューしたMr.Childrenとシャ乱Q。 同期デビューですが、Mr.Childrenはあっという間に売れて、約1年後にはシングル100万枚を記録し、ドラマの主題歌やCMソングも決まりました。 「悔しい!」 桜井(和寿)くんの認めざるを得ない声質と、作曲力への才能に、大いに嫉妬しました。 でも、僕もまだまだ若かったし、負けを認めたくありませんでした。 そのうち、Mr.Childrenは桑田佳祐さんとデュエットしたり、シングルだけでなく、アルバムもミリオンヒットになったり。はぁ~、ミスチル、すごかったです。 ……と言いながら、僕らシャ乱Qも『シングルベッド』のヒットを皮切りにミリオンを連発。続いてアルバムもミリオンヒット。 当時の僕らも、相当な結果を出しました。 ただ、それでも、Mr.Childrenとの差が縮まったような実感はありませんでした。