【ライブレポート】羊文学、ファンとの距離感を噛み締めた恒例クリスマスライブ「まほうがつかえる」東京公演
羊文学の恒例クリスマスライブ「まほうがつかえる2024」が12月10日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)、本日24日に大阪・フェスティバルホールで開催された。この記事では東京公演の模様をレポートする。 【動画】羊文学の恒例クリスマスライブ東京公演の様子。 塩塚モエカ(Vo, G)と河西ゆりか(B)は、サポートメンバーのユナ(Dr / ex. CHAI)ともにステージに現れると、メジャー2ndアルバム「our hope」収録の「くだらない」で演奏を開始。静かで力強いバンドサウンドに、淡く憂いを帯びた歌声を溶かして場内をドリーミーな空気で満たしていく。軽やかなメロディと後半のノイジーなギターが強烈なコントラストを生む「砂漠のきみへ」でギアを上げると、「光るとき」「パーティーはすぐそこ」といったライブ定番のキラーチュンを畳みかけ、序盤からオーディエンスを興奮の渦に巻き込んだ。 羊文学は映画「かくしごと」の主題歌「tears」や、“AIとの恋”をテーマに歌詞を書いたというSF感漂うラブソング「Flower」といった繊細な楽曲で美しく儚い世界を描いたかと思うと、その後披露された「FOOL」「Burning」でハードかつノイジーなサウンドを生み出し、表現の振り幅の広さを感じさせるステージを展開。ライブ中盤、「more than words」のイントロが流れ始めると客席からは大きなハンドクラップが。スマッシュヒットを記録したクリスマスソング「1999」の演奏時には、複数のミラーボールが光を乱反射し、場内には幻想的な光景が広がっていた。 塩塚は今年の活動を振り返り、「2024年は気持ちが自由になった1年で、来年は人としてもミュージシャンとしてもいろんなことに挑戦できるなと思いました。それはツアーを回ったり、今日ライブをしたりして、みんなとの距離が近くなったから。来てくれて本当にありがとう」とひと言。そして本公演のグッズ「まほうがつかえるピンバッジ2024」にオレンジ色を採用したことについて「急遽、たくさん私たちを支えてくれたスペシャルドラマー・ユナさんの髪色に合わせてオレンジにさせていただきました」と、フクダヒロア(Dr)の活動休止以降、数多くのステージをともにするユナへ感謝を伝えた。 穏やかな空気の中、羊文学はインディーズ時代の楽曲「マフラー」でパフォーマンスを再開。次曲「GO!!!」では河西が観客にシンガロングを促して一体感のあるステージを繰り広げる。そして「あいまいでいいよ」でみずみずしく凛としたバンドサウンドを響かせたのち、「ワンダー」で場内に壮大な星空を描いて「まほうがつかえる2024」東京公演を締めくくった。 ■ セットリスト □ 羊文学「まほうがつかえる2024」2024年12月10日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂) 01. くだらない 02. 砂漠のきみへ 03. 光るとき 04. パーティーはすぐそこ 05. キャロル 06. tears 07. Flower 08. マヨイガ 09. FOOL 10. Burning 11. OOPARTS 12. more than words 13. 1999 14. マフラー 15. GO!!! 16. あいまいでいいよ 17. ワンダー