維新、滋賀や福岡などの小選挙区で初勝利も東日本では苦戦 比例近畿は日本保守党が1議席
衆院選で日本維新の会は本拠地である大阪の全19小選挙区で完勝した。大阪以外では滋賀1区と京都2区、広島4区、福岡11区で初めて議席を獲得し、西日本で一定の広がりをみせた。ただ、東京1区で立候補した音喜多駿政調会長が落選するなど東日本では苦戦し、全国政党化は先送りとなった。 比例代表近畿ブロックでは、維新は令和3年の前回選から3議席減らしたものの7議席を獲得し第一党の座を守った。兵庫の小選挙区では1勝も挙げられず、兵庫県の告発文書問題を巡る対応への批判が尾を引いたとみられる。 維新の藤田文武幹事長は28日午前、大阪府寝屋川市で記者団に「逆風の中で何とか踏みとどまった」と選挙戦を振り返った。過半数割れした自民、公明両党や、野党連携を目指す立憲民主党への対応については「是々非々、政策ベースで対応したい」と述べるにとどめた。 自民は派閥パーティー収入不記載事件を受けて小選挙区で苦戦した。前回選に続いて大阪の15小選挙区で全敗。和歌山2区では政界を引退した二階俊博元幹事長の三男で新人の伸康氏が敗れ、比例復活もできなかった。比例近畿は前回から2減の6議席にとどまった。 立民は京都、兵庫、奈良の小選挙区で当選者が出た。比例近畿では4議席を獲得し、前回から1増となった。公明は維新と初対決した大阪と兵庫の計6小選挙区で2勝4敗と負け越し、「常勝関西」といわれた強固な地盤が崩れた。比例近畿では3議席を死守した。 比例近畿ではほかに、国民民主党、共産党、れいわ新選組が各2議席を獲得。参政党と政治団体「日本保守党」がそれぞれ1議席を得た。（沢田大典）
