名勝負に水を差したスペイン代表ククレジャへのブーイングに物申す! 独レジェンドも苦言「彼が何かをしたわけではない」【現地発コラム】
印象深かったドイツ人親子のやり取り
多くの人が集まるスタジアムでは匿名の力が大きくなる。グループダイナミックというのは、ポジティブにもネガティブにも傾いてしまう。1人や少人数ではできないことでも、そこまで不満を抱えていたわけではなくても、集団が膨れ上がることで気持ちのたかが外れやすくなってしまう。 そこに《自分》はもはやなく、巨大な何かに飲み込まれたものが残るだけ。だからこそ意識的にやらないことを決断することが大切なのだろう。 僕はフランクフルトのパブリックビューイングでこの試合を観戦していた。すぐ近くにドイツ人グループがいて、そのなかで1人の父親が小学生くらいの息子に話していたことが印象深い。 「スポーツはどう戦って、どう勝ち負けと向き合うかこそが大事だ。負けた時こそ自分と向き合い、《良き敗者》でなければならない。負けたことをいつまでもイジイジ言うのはよくない。どれだけ悔しくても、納得いかないことがあっても、それを受け入れて、勝者に拍手を送るべきなんだ」 今回のようなミスはどこででも、誰にでも起こりうることかもしれない。それこそ少年スポーツの現場でも、似たようなことが起きたりしてしまう。周りがやっているから自分もやっていいわけではないのだ。 男の子はじっと父親の声を聞いて、「そうだね」とうなづいて、大型スクリーンに映し出されたスペイン代表にそっと拍手を送っていた。周りのドイツ人ファンも同じようにしていた。スペインファンが拍手を返していた。 スポーツとはどうあるべきか。周りに流されないためにはどうしたらいいのか。そんなことを考える大事な契機となってほしいと願うばかりだ。 文●中野吉之伴
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