<春に挑む・’20センバツ創成館>チーム力/5止 自ら考え「課題練習」 /長崎
2月中旬、諫早市営第2野球場で創成館の選手たちが、さまざまな練習に励んでいた。ノック、ランニング、バッティングなどメニューは異なるが、「自分の課題と向き合い、乗り越える」という目的は共通している。練習後などに個人で取り組む自主練と異なり、チーム全体の練習の中に設ける「課題練習」と呼ばれるプログラムだ。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 稙田(わさだ)龍生監督が2008年の就任以降に創設した。それまでも同様の練習はあったが、稙田監督の目には「やりたいことを好きなようにやっているだけの『自由練習』」と映ったのがきっかけだったという。 課題練習で選手たちは、試合などで感じた弱みを克服するため、自身でメニューを考える。稙田監督は、「試合でバントを失敗した選手が、課題練習でノックを受けていたらおかしい。本人が『今やるべきこと』を分かっているのかを見ている」と話す。末永知昭コーチは、「『自分で考えて練習を』と言われたら普通、バッティングをするが、うちではノックを受ける選手が多い。創成館独特の光景だ」と話す。 2019年秋の九州地区大会では野手として活躍した江原叶琉(かなる)選手(2年)の課題は打撃力。3試合で一度も出塁できなかった悔しさをバネに、課題練習では黙々とバットを振り込む。藤川力也投手(同)は「(九州地区大会は)先頭打者に四球を多く与えてしまった」と反省。課題練習では他の選手に打者役として立ってもらい投球練習に励み「勝負強いピッチングがしたい」と制球力向上を誓う。 センバツ開幕まで1カ月。選手たちはメンバー入りを目指して力を高めようと、自分と向き合う。=おわり(この連載は中山敦貴が担当しました) 〔長崎版〕