DAZN相手に一人で訴訟を提起“Jリーグサポーター”20歳の法学部生…「ユーザーの気持ちを無視した」サービス“改悪”の中身
訴訟提起を決断した理由
Hさんは、訴訟提起を決断した理由について、以下のように語った。 「今回の仕様変更は、ユーザーの気持ちを無視した”改悪”といわざるを得ません。私はまず消費生活センターに相談しました。しかし『弁護士に相談します』といってから音沙汰がありません。消費者だから泣き寝入りしなければいけないなんて、不条理だし許せません。そこで、DAZNを被告として、同時視聴可能台数変更は無効であり、同社は契約を一部履行しなかったものとして損害賠償を求める訴えを起こすことにしたのです」 Hさんはヴェルディサポーターでもあり、DAZNとは2023年7月に年間プラン3万円を契約している。その際、異なるIPでの「2台同時視聴可能」がうたわれており、Hさんはそこに魅力を感じていたという。 訴訟提起にあたっては、その点をほごにする今回の仕様変更について同社に問い合わせたというが、利用規約を盾に、正当性を主張されたという。
争点は利用規約に消費者契約法が該当するか
裁判では、同社が仕様変更の正当性の根拠とする「利用規約4.10」にある「当社は、適宜、当社のサービスプラン及び当サービスの価格を変更することができます」の文言の有効性が争点になるだろうとHさんはみている。つまり、この規約が、消費者契約法における「消費者の利益を一方的に害する契約条項は無効とする」と定められていることに該当するかだ。 なんともたくましいこれら一連の動きを、Hさんはアカウント名「おさしみ」でnote(Https://note.com/verdys_juristic/n/nf1b638c68e69)上に公開している。同じように不満を抱いていたユーザーも多かったのだろう。その反響は大きく、たくさんの励ましやカンパしたいという声が届いたという。 もっとも、大胆にみえるこうした行動も、Hさんにとっては特別なことではないようだ。「理不尽なことやモヤモヤすることがあれば、ため込まず、すっきりさせたい性分なんです」。