<プロ野球>新人選手はどこまで戦力になっているか
■野手では巨人・小林、広島・田中らが奮闘 野手では、広島の内野手、田中広輔(3位、JR東日本)が60試合に使われ、打率.256、17得点、12打点と“仕事”をしている。横浜DeNAの捕手、嶺井博希(3位、亜大)は、交流戦の西武戦でプロ初安打がサヨナラヒットになる幸運なデビューを飾っている。掛布氏は「セの野手では、巨人の小林が、いい働きをしているでしょう。日本生命時代に受けていたピッチャーが4人ドラフトにかかって、そうプロとギャップのないピッチャーと組んでいたことで、キャッチングやリードに基礎というものがあります。阿部と比べられると、どうしても大人しく見えますが、間違いなく次の時代の巨人のキャッチャーでしょう」と、31試合に出場して、打率.281の数字を残している巨人の小林誠司(1位、日本生命)に高い評価を与えている。 ■パで健闘はロッテ・石川、オリ・東明ら パ・リーグの新人の中で結果を残している一番手は、ロッテの石川歩(1位、東京ガス)だろう。後半戦のスタートは黒星発進となってしまったが、17試合で6勝5敗、防御率3.06の成績。交流戦あたりからローテーションに入ったオリックスの東明大貴(2位、富士重工)は、7試合に先発して2勝3敗、防御率4.41。独特のタイミングで打者を苦しめるが、まだ安定感には欠ける。吉田一将(1位、JR東日本)は、5試合に先発して2勝1敗、防御率3.08で、イースタンでも安定感があるが、オリックスの固定された先発陣には、なかなか割って入ってこられない。 評論家の与田剛氏に、パの気になる新人をピックアップしてもらったが、最初に石川の名前が挙がった。「石川は、多彩な変化球でストライクを取ることに苦労しない。コントロールに自信があるのでしょう。ストレートと変化球のフォームと腕の振りが一緒で、特に右バッターへのインサイドへ動かしてくる変化球の使い方が効果的だ。東明も、ストライクを取ることにバタバタはしないピッチャー。キレのあるボールで左の中継ぎで結果を出している楽天の西宮も大きな戦力になった新人ではないでしょうか」。与田氏は左腕では楽天の西宮悠介(5位、横浜商大)を評価していた。