来年度は大物が資格取得!?「野球殿堂該当者なし」は正当な評価なのか、それとも時代に逆行しているのか?
2020年の日本の野球殿堂入りが先日、発表された。監督、コーチ引退後6か月以上、もしくは引退後21年以降の選手が候補者となるエキスパート表彰で、阪神、西武でホームランバッターとして活躍、阪神時代の1975年には王貞治氏の14連続本塁打王を阻止、通算474本塁打を放っている田淵幸一氏が109票(80.7%)を獲得して選ばれた。だが、一方で引退後5年以降の選手で、その後15年間が選考対象となるプレーヤー表彰は該当者なしとなった。 2008年にメジャーの野球殿堂のベテランズ選出を参考、過去に殿堂入りから漏れた功労者の掘り起こしと、監督、コーチとしてプロ野球の発展に多大な貢献をした人の殿堂入りを目的にしてエキスパート表彰部門が制定され、表彰部門が2つに分けられて以来、初めてプレーヤー表彰での該当者なしとなった。 表を参考にしてもらいたいが、日米通算313セーブで名球会入りしているヤクルトの高津臣吾・新監督は、当選ラインにわずか7票足りない259票(73.2%)で落選。2位は元ヤクルト、巨人、横浜などを通じて通算2017安打をマーク、現在、横浜DeNA監督で日本国籍も取得したアレックス・ラミレス氏の233票で初候補となった前年度から大きく票を伸ばした。3位は元巨人、中日で”いぶし銀”の活躍をして犠打の世界記録を作った川相昌弘氏の218票。以下、元ヤクルトで通算2133安打を誇る宮本慎也氏、元広島で通算2020安打、盗塁王を3度獲得した広島監督経験者の野村謙二郎氏、元巨人、パイレーツの桑田真澄氏の121票と続く。元近鉄、巨人、オリックスで通算464本塁打を放っているタフィ・ローズは102票で9位。21人の候補者の最下位は、今回初候補となった元日ハムの金子誠氏の3票だった。 プレーヤー表彰は15年以上の野球報道歴を持つ新聞記者、アナウンサーなどの委員の投票によって行われ、有効投票数の75%以上の得票が条件となっている。最大7人の記名が可能で今回は一人平均、5.4人の記名があったという。 2008年以前には、1998年、1987年など11度も該当者なしの年度があり、殿堂入りは狭き門だったが、果たして「該当者なし」は、殿堂の価値を高めることになるのか、高津氏、ラミレス氏らには、まだ殿堂入りの資格はないのだろうか。