インドIT大手TCSの株価急伸、情報技術支出の増加を予測
(ブルームバーグ): インドのタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)の株価が上昇した。企業による情報技術(IT)支出の増加を予測し、IT業界の減速が終わりに近づいていると示唆したことが好感された。
2024年10-12月(第3四半期)の業績はアナリストの予想を下回ったものの、同社は25年が前年より良くなりそうだとの見通しを示した。株価は一時6.4%上昇し、昨年7月以来の日中上昇率を記録した。
TCSは、インドの2500億ドル(約39兆5700億円)規模のソフトウエアサービス業界をリードしている。同業界は、米アップルやバンク・オブ・アメリカといった世界的企業の事業継続を支援するほか、クラウドコンピューティング、自動化、人工知能(AI)などのサービスを提供しているが、高金利と世界的な軍事紛争の影響で低迷が続いている。
同社のK. クリティヴァサン最高経営責任者(CEO)はムンバイでの記者会見で、顧客がIT支出にこれまでの数四半期よりも自信を持ち、取引サイクルが短くなっていることから、今年は昨年よりも好調に推移するとの見通しを示した。これらの要因から、今後顧客の関心はより利益率の高いソフトウエアサービスに向けられるようになるだろうと述べた。
同社は銀行業や小売業などのセクターを楽観視していると、同CEOはブルームバーグテレビジョンとのインタビューで語った。
決算を受け、JMフィナンシャルや未来アセット証券を含む証券会社がTCS株の投資判断を引き上げた。
10-12月期の純利益は12%増の1238億ルピー(約2280億円)。アウトソーシング業者にとって通常、低調な四半期であり、アナリスト予想平均は1253億ルピーだった。売上高は5.6%増の6397億ルピー。
原題:TCS Shares Gain After IT Firm Predicts Rising Tech Spending(抜粋)
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Sankalp Phartiyal