高校生発案の「桑の葉うどん」完成 12月から山鹿市のカフェで提供
養蚕の街として栄えた山鹿市で、蚕の餌となる桑の葉を活用した「桑の葉うどん」が完成した。地元の高校生のアイデアを、関係者が協力して商品化にこぎつけた。12月1日に市内のカフェ「七七[なな]屋山本堂」で発売する。 発案したのは、大学1年の廣崎穂乃花さん(18)=菊池市。鹿本高に通っていた昨年、学校の課題研究であつまるホールディングス(熊本市)が山鹿市内で展開する養蚕工場の桑の葉に着目した。「桑の葉は血糖値の抑制など健康効果が注目されている。それを使って、地域おこしにつなげられないかと考えて提案した」と廣崎さん。 研究を知った同カフェの山本博さん(73)が「高校生の思いを実現させてやりたい」と奔走し、製麺所や養蚕工場、栄養士、調理師らも協力。麺に練り込む桑の葉の粉末の調合割合や、麺つゆの味などを調整するなどして、約1年かけて完成した。 24日は同カフェで関係者向け試食会が開かれた。桑の葉の粉末入りうどんは鮮やかな緑色で、絹糸をイメージして細麺に仕上げた。セットメニューのおにぎりも桑の葉入り。参加者からも「おいしい」と好評だった。原料を提供する養蚕工場の工場長、竹嵜正二さん(65)は「自分たちにはなかったアイデア」、廣崎さんは「思いを形にしてもらってうれしい。山鹿の名物になってくれたら」と喜んだ。
桑の葉うどんは12月から当面、調理師の宮崎久美子さん(69)と栄養士の佐々洋子さん(68)が土日の昼食時に提供する。単品メニューは800円。(本田清悟)