<解説>“ネタバレ公開”と上映回の難しいバランス
人気アニメ「プリキュア」シリーズの最新作「わんだふるぷりきゅあ!」の劇場版「わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ ゲームの世界で大冒険!(映画「わんぷり」)」で、公開日の9月13日に大きな“ネタバレ”が発表されSNSでは話題を集めた。とかく賛否両論が飛び交う“ネタバレ公開”について、それぞれの作品ならではの特性も絡めてアニメコラムニストの小新井涼さんが解説する。 【写真特集】劇場版「わんぷり」のネタバレ
◇以下、映画「わんぷり」のネタバレがあります。
現在、好評上映中の映画「わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ ゲームの世界で大冒険!(映画「わんぷり」)」。その作中の“みどころ”が、公開初日に公式から情報解禁されたことが、先月話題になりました。
最近は、公式が後日わざわざ“ネタバレ解禁のアナウンス”をするほど、公開後はしばらくSNSでのネタバレが自粛されることも多い中、本作のように初日から公式が情報解禁するのは珍しいことです。映画の情報解禁タイミングは、公開当日解禁と後日解禁で何がどう変わって、一体どちらが望ましいのでしょうか。
今回、映画「わんぷり」公開日に情報解禁されたのは以下の2点です。まずはレギュラーキャラクターの1匹であるうさぎの大福が“ついにしゃべり”、そのCVが中村悠一さんであること。さらにその大福が人間の姿になり、マブダチである悟と共に“変身”することでした。
動物たちがプリキュアに変身する本シリーズということで、「いつかしゃべるんじゃないか……」と期待されていた大福が遂に、それも中村悠一さんの声でしゃべるというのですから驚きです。更に、昨年の男子レギュラープリキュア初登場の後とあって、「いつか変身するんじゃないか……」と期待されていた悟とともに変身までするというのもかなり衝撃的な情報でした。
今回解禁されたのは、まさにそんな、テレビシリーズ視聴者には「映画も見逃せない!」重大情報であると同時に、だからこそ「公開初日にそれ解禁しちゃうんだ!?」という驚きの内容でもあったのです。