7回、2点本塁打を放ったドジャース・大谷翔平。50－50を達成し声援にこたえる。＝ローンデポ・パーク（撮影・水島啓輔）

米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手（30）が19日、前人未到の「50本塁打、50盗塁（50－50）」を達成した。大記録まで2本塁打、1盗塁としていた大谷はマイアミで行われたマーリンズ戦の一回、今季50個目の盗塁となる三盗を決めると、二回にも二盗を成功。打っては六回に49号2ランを右翼へ放つと、七回には左翼へ50号2ランを放ち、153試合目で「50－50」にたどり着いた。 【写真】デコピンを抱きかかえる大谷夫人の真美子さん 九回には右中間へ3打席連発となる3ランを放ち、この日は6打数6安打10打点。メジャー史上初の偉業をど派手に飾った。 50本塁打はアジア選手初で、2001年にショーン・グリーンがマークした49本塁打の球団記録を抜いた。日本選手のシーズン50盗塁は、01年に56個で盗塁王を獲得したマリナーズのイチロー以来、2人目。 今季は昨秋に受けた右肘手術の影響で、代名詞の投打「二刀流」を封印。リハビリと並行して打者に専念してきた。本塁打は21年に46本、昨季は44本を記録。打撃技術は年々進化し続けており、50本は射程圏内といえた。 大記録達成のカギは盗塁数の大幅増だ。これまでメジャーでは、21年の26個が最多。プロ野球日本ハム時代は5年間で計13個だった。打者専念となった今季は春季キャンプから盗塁死ゼロを目標にトレーニングに励み、コーチらと投手の癖などを研究。7月のオールスター戦明けからペースを上げ、8月は1試合2盗塁が3回、3盗塁も8月3日と9月2日の2度記録。今季の成功率は驚異の90％超で、一気に50盗塁の大台をクリアした。 もっとも、大谷にとってはこれも通過点だろう。目標のワールドシリーズ制覇に向け、残り試合も打って走り続ける。