プレミアム商品券を巡る論点。必要な「費用対効果」の見極め
額面に上乗せした金額で使えるプレミアム商品券を発売する地域が増えている。国の交付金を使うことで必要な費用を捻出し、地域振興に役立てるとの見方がある一方で、税金を使った「バラマキ」との批判もつきまとう。プレミアム商品券をめぐる論点を考えてみる。
プレミアム商品券とは、一定額の商品券を購入すると、地元商店街などでプレミアム(上乗せ分)を含めた金額まで使える商品券のことで、たとえば、1万円で500円券が22枚=1万1000円分=が得られる場合は、1000円分がプレミアムにあたる。 地域社会の振興を目的に、公明党の主張を受けて、政府が2014年度補正予算で交付金を創設し、各地に広がりを見せている。プレミアム商品券の発行額は1500億円を超え、全国で1700を超える市町村が既に実施したり、これから実施する計画を立てたりしている。今後、5月から7月にかけて動きが本格化すると見られている。 ここで焦点となるのは、「おまけ」の金額を上乗せすることで、それを使う地域にどれほどの経済効果がもたらされるかである。大都市の企業に郊外の自治体から通勤している人の多くは、普段、買い物を都市で済ませることが多いのだろうが、そうした人が居住地の地元商店街で買い物する場合には、地元消費を促すことができる。またプレミアム分で、普段は買わないような高額商品を思い切って買う動きにつなげることができるかどうかもカギだ。この部分を節約に回すような人が多ければ効果はあまり期待できないだろう。 さらに、プレミアム部分を交付金(税金)で補填する場合には、費用と効果を比べてみて、全ての市町村や商店街で必ずしもうまくゆくとは限らないケースもある。プレミアムを使っても、継続的に客を呼べない場合などである。 交付金を使うとなると、自治体は「我も、我も」と参加したがるが、必ずしも効果のない地域で使うと、最初のうちは物珍しさで需要があるかもしれないが、二度、三度と出すうちに、人気がなくなる事例もこれまで起きている。