プレミアム商品券を巡る論点。必要な「費用対効果」の見極め
第一生命経済研究所・首席エコノミストの熊野英生氏は「商店街が集積しているようなところは『呼び水効果』となり、プレミアム商品券が売り切れても、商店街として自力を持っているところでなら効果が上がる可能性がある。そうでない場合は、期待したほどの効果は得られないだろう」と指摘する。 多くの自治体がこぞってやろうとしているものの、税金を原資とする交付金を使う場合には、本当に効果が出るのかを見極める必要がある。自治体は消費の喚起効果をアピールしがちだが、結果として税収が増えたのか、事後に需要の反動減などはなかったのかなどの検証は必要となるだろう。 もちろん各自治体も昨今のような財政難の折、慎重な取り組みをするだろうが、全国一律でやると、どうしても対応が甘くなるところが出るのはやむを得ない。地方創生とは、交付金を使って商店街を保護するのではなく、創意工夫で商店街を強くすることが目的である。あくまで地域の民間の力をいかに高めるかにかかっているのである。 (3Nアソシエイツ)